らんまん

不思議な水生植物を発見 / らんまん 第83回

2023/7/26(水)第17週「ムジナモ」

あらすじ

ゆうに誘われ出かけた先で植物採集に夢中になる万太郎の姿を見ながら、福治はゆうに娘の小春への気持ちを打ち明けました。福治の気持ちを聞かされたゆうもまた、引き離されて育つ我が子への思いを打ち明けました。

福治とゆうが話し込んでいる間、万太郎は倉木の肩に乗って柳の実を採集していました。しかしバランスを崩した万太郎は池の中に転落。そして池に転落した万太郎は、偶然に見慣れない水草を見つけました。

同じころ、東京大学では画工の野宮が田邊にある頼みごとをしていました。野宮は万太郎を植物画家として雇ってほしいと頼んだのです。野宮は田邊に訴えました。植物学教室には万太郎と自分の二人の植物画家が必要なのだと。

一方、帰宅した万太郎に寿恵子が告げました。本が売れても半分は費用で消えてしまう。内職だけでは家計が苦しいと。万太郎は何とかなると応えるものの、プラントハンターとして雇うという田邊からの申し出を断ったことを思い出していました。

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感想

田邊教授の「自由」

万太郎くんに対する嫉妬心を燃やす田邊教授のもとに届いた海外の学者からの手紙は、よりによって「Makino」とは何者なのかを問うものばかり。

「Makino」は海外では注目の的です。

西洋かぶれの田邊教授としては西洋の学者たちの前ではいい顔をしたい。

だから、「Makino」関連のリクエストに対して表向きはこころよく応えるのでしょう。

かつて田邊教授が万太郎くんを「虫ケラ」と呼んだのも、万太郎くんの才能を認めざるを得ないのの、その才能を受け入れることが出来ない葛藤が言わせた言葉だった。

今にして思えばそんな気がします。

田邊教授の中で万太郎くんの存在があまりにも大きくなっていたのでしょう。

万太郎くんの存在が大きくなるのが田邊教授の中だけであれば「虫ケラ」呼ばわりすることでその存在感を打ち消すこともできたかもしれません。

しかし自分の中でなく、国内の学者たちの間、そしてついには田邊教授が憧れてやまない西洋の学者たちの間でも万太郎くんの存在が大きくなる一方。

自分の中の万太郎くんの存在感の大きさはある程度コントロールできても、他者の中にある万太郎くんの存在感の大きさはコントロールできない。

そして、そんな状況下で田邊教授は自分の中の万太郎くんの存在感の大きさすらもコントロールできなくなっているのかも。

ちょっとネタバレになりますが・・・

今週の終わりか次週始まって早々に田邊教授は万太郎くんを東京大学から追放します。

出入り禁止にするわけです。

その直後、田邊教授は奥さまの聡子さんに対して次のような言葉を口にするらしい。

「私の魂は自由になった」と。

一度は「虫ケラ」として自分の中の万太郎くんを斬って捨てた田邊教授。

しかし、田邊教授の周囲で万太郎くんの存在があまりにも大きくなり、いつの間にか田邊教授は自分の中の万太郎くんの存在感の大きさをコントロールできなくなった。

というよりは、万太郎くんの存在感の大きさに田邊教授は完全に支配された。

そのような言い方がふさわしいのかもしれません。

なので、自分を支配する万太郎くんという存在を東京大学から完全に追い出すことで、田邊教授は「自由」になれたのでしょう。

「いいこと」が「良くねえこと」に反転

前回のエンディング近くで福治さんが口にした言葉。

「いいこともあったら良くねえことも起きるぞ」

この不吉な言葉を福治さんが口にした直後のタイミングで万太郎くんはまたしても「いいこと」がありました。

不思議な水草の発見、それが万太郎くんの「いいこと」です。

発見した水草がその後どうなるのかは次回以降に持ち越されましたが、おそらく次回あたりで「いいこと」が「良くねえこと」に転ずるフラグが立つものと思われます。

そして今週中には間違いなく「いいこと」は「良くねえこと」に反転。

今週中に「いいこと」から反転した「良くねえこと」は、次週になって増幅。

次週以降しばらくは「良くねえこと」続きになること確定です。

福治さんとゆうさんは「良くねえこと」が「いいこと」に反転?

一方で、これまでの人生で「良くねえこと」が続いていた福治さんとゆうさん。

二人ともおそらく「いいこと」の後の「良くねえこと」が怖くて、「いいこと」に向き合う勇気がなかったのでしょう。

でも二人揃ってようやく「いいこと」に向き合う気持ちが芽生えたようです。

「いいこともあったら良くねえことも起きるぞ」の逆の
「良くねえこともあったらいいことも起きるぞ」も真理

福治さんとゆうさん、早くそこに気がついてほしいものです。

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予習レビュー

植物図譜の刊行、新種ヤマトグサの発表、長女の出産、ムジナモの日本での発見。

ドラマの中の万太郎くんがヒットを連発していますが、史実の中のリアル万太郎くんもヒットを連発。

リアル万太郎くんのヒットの連発、ほぼ史実の時系列にそって再現されています。

そして、ヒットの連発の直後のことも史実の時系列にそって再現されるとしたら、今週あたりにとんでもないことが起こるはずです。

リアル万太郎くんが「ムジナモ」を発見したその数ヶ月後。

リアル田邊教授はリアル万太郎くんが植物学教室に出入りすることをいきなり禁じます。

リアル田邊教授が万太郎くんへの態度を変えた理由は次のとおりです。

リアル田邊教授は、研究成果を発表するための植物誌の発行をするつもりでいました。

その植物誌は、リアル万太郎くんがすでにすすめていた『日本植物誌』と同様の内容でした。

さて、リアル万太郎の『日本植物誌』はあまりにも高品質でした。

そのためリアル田邊教授として自ら手がける植物誌が、リアル万太郎くんの『日本植物誌』と同レベルでは権威にかかわる。

そこでリアル万太郎くんの研究環境を奪うべく、出入り禁止にしたのだそうです。

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POSTED COMMENT

  1. 還暦のたつお より:

     いい事があれば良くない事も。福治さん苦労人ならでは。ゆうさんも。「わたしたちにとって楽しい事が。」万さんには、人たらしというだけでなく、接した人達を前向きに変える何かがある「大した野望。」でもささやかな幸せ。福治さんとゆうさんの会話だけで、ここまで持つ?巧い役者さんならでは。と思ったら転倒したついでに新種発見。野宮さん必死の訴え。お金の無い万さん。田邊教授のオファーとは?

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