2021年9月21日(火)第19週「島へ」
あらすじ
実家に電話をして家族が無事にしていることを確認した百音でしたが、明日美から意外な事実を知らされました。龍己のカキ棚が突風によって大きな被害を受けていたのです。百音は実家に電話をするものの、電話は家族につながりません。
実家のことが心配でならない百音に対して、菅波は実家に帰って状況を自分の目で確かめるようにすすめました。菅波の言葉に背中を押された百音は、朝岡の許可を得て実家に帰ることになりました。
一方の菅波は、汐見湯で菅波にとって意外な人物と再会しました。菅波が駆け出しの医師の頃の患者・宮田でした。宮田はボイラー技師として汐見湯の修理に来たのです。宮田は菅波を恨んだことがあること。しかし今は感謝していると菅波に伝えました。
その日の夜、百音が実家に駆けつけると、百音にとっては意外な光景が目の前に繰り広げられていました。亮や三生、そして島の人たちが、心から楽しそうに龍己のカキ棚の修復作業を手伝っていたのです。
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予習レビュー
かつて、菅波先生は「あなたのおかげで」という言葉は麻薬だと言いました。
菅波先生は「あなたのおかげで」という言葉にほだされて患者さんに過剰に感情移入してしまい、その結果、取り返しのつかない失敗をしたからです。
さて、その菅波先生の心の傷にもなっている患者さん・宮田さんと菅波先生が再会します。
このタイミングで菅波先生はどうして宮田さんと再会したのか。
その作劇上の理由を考えてみました。
今週、モネちゃんが故郷に戻ると決意を固めると、前回の予習レビューに書きました。
また、菅波先生がモネちゃんにプロポーズするのではないかというスーちゃんの予想も書きました。
モネちゃんが故郷に帰れば菅波先生との結婚も現実的な選択肢に。
そしてモネちゃんと結婚した菅波先生は、登米に骨を埋める覚悟で地域医療に専念することになるかと。
その日を迎えるためにも菅波先生の心の傷を清算しなければなりません。
だからこのタイミングでの菅波先生と宮田さんの再会が描かれる。
ということは、スーちゃんの予想は当たるかもしれませんね。
感想
感想
モネちゃんが実家に帰った理由
龍己さんのカキ棚が突風の被害を受けた。
スーちゃんからその知らせを受けたモネちゃんが、いてもたってもいられなくなり、あわてて実家に駆けつける理由が今ひとつ解せませんでした。
今回を見るまでは。
しかし今回、モネちゃんに対して菅波先生が口にした言葉で納得です。
震災の日、自分だけがその場にいなかったという心の傷が、今もなおモネちゃんを苦しめていたようです。
ここしばらく震災の回想場面がなくなったので、モネちゃんは完全に立ち直ったと早とちりしていました。
実家が大変なことになっているらしい。
しかし、そんな状況にもかかわらず、またしても自分だけがその現場にいない。
確かにこの状況は、モネちゃんにとってはあまりにも耐えがたい。
じっとしていられなくなるのはもっともだと思います。
そして、そんなモネちゃんの心の傷に気がつく菅波先生、さすがです。
引き返せなくなる
さて、モネちゃんが朝岡さんに休暇取得の許可をとる場面で、朝岡さんはモネちゃんに言いました。
実家に帰って現場を見たら引き返せなくなる、みたいなことを。
モネちゃんは大丈夫ですとは言いましたが、今後、朝岡さんの予想通りの展開になってしまうはずです。
さて、実家に帰ったモネちゃんが目撃したのは、意外なほどに明るい故郷の人々の姿でした。
あの明るい姿が、モネちゃんが引き返せなくなる理由になるとは考えにくい。
何がモネちゃんを引き返せなくさせるのか。
その一点が気になって、次回以降が待ちきれない『おかえりモネ』第92回でした。
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今日は泣きました。本当に。
込み上げる感情に、言葉を失ってしまいました。
なので、なんで説明したらいいのかわかりませんが、本当に心打たれました。
耐え切れないほどの大きな喪失と、それでも再生していく人達の物語。
明日からも心待ちにしています。
宮田さんの言葉は重かった。表面的にはさらっと言っているからこそ、よけいに。
「恨みましたよ。訴えようかとも思った」から
「命は助かった。大切なのはそれで、私は今、生きてここにいる。」
までの間の葛藤を、宮田さんがうちあけることは決してない。乗り越えたことを決して口にしたくないものだから。
永浦家の皆さんと、宮田さん、喪失と再生の力が、モネちゃんと菅波先生の背中を押してくれることを願って、明日の「お帰りモネ」を見たいと思います。
今日も重たかったですなあ。
モネと菅波の会話、重たかった~
菅波と(小さい)石井君の再会、重たかった~
モネが帰省して、
でも、帰省先の皆さん、
なんだか、楽しそうに作業していて、
それを見て、モネは泣いちって、重たかった~
モネはなぜ泣いたんだ~?
分からん、のじゃなくて、
理由の候補がいくつかあって、
どれなんだかなあ?
と、私自身が自問自答。
帰省先の皆さんに、名乗り出ないまま、
黙って帰っちゃうのかと思ったよ~
明日はどうなる?
明日はどっちだ?
ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ
(-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ
おしまい
東京って狭いよね。モネと先生が再会したのが風呂屋に隣接したコインランドリーだったり、
先生と元患者が再会するのも風呂屋だったり。モネの下宿先が風呂屋であることの意味が
回収されました。「先生のおかげです」「今生きているのは」。6年経ってそう言える人と、
いつまでも心の傷として残している人と。そして同じ日に、モネも原点回帰に。
モネの到着を一番最初に気がつくのはみーちゃんであってほしいと思ってたけれど、
そうなりました。現実には島の人間、誰も竜巻を見てないのだから、立場的にはモネと
対して変わらない。
震災当時の中学生のモネは、まだ子供だったので何もできなかった、というより、何ができるかを自分で考える事ができなかった。しかし時間が経過して、子供も大人に成長する。それはモネだけではなく幼馴染たちも同じ。経験を積み考え続けたその帰結として、大人として帰ってきたモネは今度こそ、自分にもできることがあるんだ、やりたいんだと腹を括れた。一歩を踏み出したのはそういう思いであったかと感じています。
震災の時は、モネちゃんは喪失感と疎外感に押しつぶされそうでしたね。
それはモネちゃんの周りの人たちがそう意識していた訳ではないけど…。
今回は震災の時とは全く逆の、島のみんなが明るい姿で、悪い想像はいい意味で裏切られてしまったけど、その結束力にモネちゃんの疎外感はないのかな
とふと思っちゃいました。嬉しい疎外感だけど。
宮田さんの登場で、菅波先生もまた救われるのでしょう。「恨んでました」とズバッと言われた方が心が軽くなりますよね。でもそれでも生きている。そして、お客さんに直接喜んでもらえる仕事が出来ている。宮田さんの晴れ晴れした顔は、菅波先生が長いこと抱えてきた鬱屈を溶かしてくれる気がしました。
菅波先生も一緒に島に行ってあげたかったでしょうし、私も何で一緒に行かないの?って思ったけれど、あの島の雰囲気の中に先生がいたら混乱間違いなしだったし、先生も東京で宮田さんと会えなかったし、「1人で行く!」っていうモネちゃんの決断は大正解でした。
「どうして自分でいかないの。」「もうそんなに無力じゃないでしょ。」菅沼先生かっこいい。でも医療の現場で数々の修羅場に立ち会って来た者でなければ言えない台詞。「これで永浦さんは引き返せなくなる.かもしれません。」今回は出てくる台詞がいちいち重い。「先生のおかげです。」第二の転職について語る宮田さん。菅沼先生の事を一時は恨んでもいた宮田さん、やっぱり今回の人の台詞いちいち響くなあ。帰郷すれば、災害なんかの負けるかとみんな明るく頑張っている。泣けるなあ。
いよいよ2人が過去のトラウマに真っ向から向き合うことに。
二度と同じ過ちを繰り返して欲しくないとモネを送り出した菅波くんも元患者の宮田さんと再会。
「命だけは助かりましたから」
恨みも持ちながらも自分を保つことが出来たのは、菜津さんが以前語っていた「いてくれるだけでいい」ということにも通じることでしたね。
莉子ちゃんもまた宮田さんも活路を見出すことが出来たのも居てくれたからですね。
一方モネ。「いつでも島に行ける」というフラグ回収で亀島に。
過去の震災を経験していた為か「これくらいの被害、ナンボのもんじゃ!」(と思われる)という気概で作業をする人々。
モネは皆が無事でよかったという嬉しい気持ちと疎外感を感じて寂しい気持ちでいろんな感情が溢れ出してしまいましたね。
この疎外感の方は20週にも影響を及ぼすでしょう。
やはり再登場しましたか、西園寺刑事、いや、お笑いコンビ、アリとキリギリスの石井正則さん、もとい、元ホルン奏者の宮田さん。このキャスティングからして、何らかの形で再登場有りと踏んでいたのですが、このドラマの立派なキーパーソンですね。朝どら、前二作は過去を舞台にしてダイナミックな作りでしたが、「おかえりモネ」は、登場人物の深い掘り下げ、緻密なストーリー構成、一見地味な作風でありながら、見応えが半端ないですね。あとひと月、このドラマを存分に味わいたいと思います。
彰悟「今生きている・・・・・・・・それが大事なんです・・・・・・・・。」
ともすれば忘れてしまいそうな事ですね。