らんまん

万太郎たちが峰屋に到着 / らんまん 第58回

2023/6/21(水)第12週「マルバマンネングサ」

あらすじ

万太郎、寿恵子、竹雄の三人が峰屋に到着しました。三人が峰屋に着いたそのとき、綾が役人たちから厳しい言葉を浴びせかけられているところでした。万太郎が役人たちを説得したことで、その場は収まりました。

役人が立ち去り、万太郎は寿恵子を峰屋に面々に紹介しました。綾や峰屋の面々は、万太郎との再会を喜び、寿恵子を歓迎しました。一方で竹雄は、峰屋の女衆や地元の女性たちの間で注目の的になりました。

万太郎と向き合った綾は、重税を課されている峰屋の厳しい状況を告げました。しかし綾にとって税金よりも心配なことがありました。タキのことでした。タキは前の年から体調を損ね床に伏せるようになっていたのです。

タキの容態が悪いことを初めて知らされた万太郎は、動揺しながらも寿恵子をタキのもとに連れて行きました。タキは服装を整え万太郎と寿恵子を待っていました。そしてタキは寿恵子に百人一首の勝負を挑みました。

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感想

万太郎くんの目力

役人を説き伏せた万太郎くんの説得力がすごい。

カドが立たないように言葉を選びつつ、その一方で田舎役人を威圧する要素を言葉の中に巧みに取り入れる。

東京大学、鹿鳴館、新政府、等々。

これらアイテムは田舎役人にはかなりの破壊力があった模様。

しかも東京にいても土佐弁をしゃべっている万太郎くんが、土佐の役人の前では終始標準語を使う。

万太郎くんの説得、計算づくかなと思いました。

しかし説得のテクニックだけで役人を説き伏せたわけでないことも確か。

役人と視線を合わせたときの、おだやかに見えながらもその奥には「本気」が見え隠れする万太郎くんの目力。

この目力が、一番の破壊力を持っていました。

竹雄くん

竹雄くんが峰屋の女子たち、地元の女子たちの間で注目の存在に。

西洋料理屋「薫風亭」でも、女子客たちの間で注目されていましたが、あのときもそして今回も竹雄くんは自分が注目される理由がわかっていない様子。

竹雄くん、実はなかなかの天然キャラのよう。

竹雄くんが土佐の女子たちの注目の存在になる場面を見ていたときは、ふと不安がよぎりました。

次週、竹雄くんは綾ちゃんとの結婚が決まります。

そして東京には戻らず土佐で生活することに。

そんな中で、綾ちゃんを悩ませることにはならないのかな?と不安になったわけです。

しかし、竹雄くんは無自覚にモテる天然タイプ。

こうしたタイプは、その周囲では勝手に泣く女子も出てきがちですが、竹雄くん自身が周囲の女子たちに迷惑をかける心配はないのかなと。

注目を浴びる竹雄くんの描写が、今後の何かのフラグではないことを祈るばかりです。

話題が竹雄くんからそれますが、史実の中のリアル万太郎くんはたまに東京から土佐に戻ると、地元の女子たちの間で注目の的になっていたのだとか。

ドラマの中では万太郎くんは婚約者がいる身の上。

婚約者がいる男性を地元の女子たちの注目の存在にしてしまうのは具合が悪い。

そこでリアル万太郎くんのエピソードを竹雄くんに託したのかもしれません。

タキさん

タキさんが病気だと綾ちゃんから初めて知らされ動揺する万太郎くん。

心配しながらタキさんの部屋の障子を開けると、タキさんは意外にも元気そうでした。

万太郎くんが気づいているかどうかは定かではありませんが、タキさんの性格から考えて元気なフリをしているのは明らか。

そして必死になって元気なフリをするお芝居を見せてくれる松坂慶子さんの名演が今回も素晴らしい。

元気だったころのタキさんの声と今回のタキさんの声、まったくの別物。

この松坂慶子さんの名演を堪能できるのも残すところ今週と来週の二週のみ。

とりわけ来週は泣かされるかもしれません。

追伸:来週はまた万太郎くんのお母上の幻が登場するはずです。

万太郎くんのお母上の中の人は今、世間を騒がせている真っ最中。

中の人が出演する映画の撮影まで中止になってしまったとか。

来週の万太郎くんのお母上の幻の場面がカットされていませんように。

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予習レビュー

今週、峰屋が「造石税」で苦しむ場面が描かれます。

いつだったか東京大学の学生・藤丸くんのご実家が千住の酒問屋であることが判明したときのこと。

藤丸くんが「造石税」によって日本の酒蔵はなくなるのではないか、みたいな発言をして万太郎くんを動揺させたことがありました。

あの税金が再びドラマの中で描かれます。

ところで藤丸くんが「造石税」の話をした直後だったか、峰屋の描写がありました。

古酒にすら課税する場面が。

この古酒にすら課税したことが日本酒の文化を破壊してしまったことを最近になってはじめて知りました。

日本酒の歴史の中では、鎌倉時代に3年熟成の日本酒の記録があり、江戸時代には5〜10年も熟成した古酒もあったのだとか。

そんな日本酒文化の一角を占める古酒が「造石税」によって製造されなくなりました。

「造石税」が廃止され「庫出税」になったのは昭和18年。

そして昭和40年代になって、一部の酒蔵が熟成古酒の復活に挑戦。

その間、約100年、日本酒の伝統の一部が途絶えていたという事実を最近になって初めて知りました。

ヴィンテージワインのようなポジションの日本酒が少ないことをずっと不思議に思っていましたが、これで合点がゆきました。

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POSTED COMMENT

  1. ずんこ より:

    万太郎くん、素晴らしい。

    相手が権威に弱いと見抜いて、東大に通っているや東京、鹿鳴館と言ったパワーワードで自らを権威付け。
    竹雄くんも政治情勢に通じていることをアピール、さらにかつて殿様御用達だったと峰屋にも箔付けし、あくまで丁寧に、追い返されたのではなく出直すだけだと言い訳が立つようにしてやる。
    見事でした。
    どこでこんな喧嘩を覚えたのか…。

    土佐の佐川村に東京の名店「薫風亭」のボウイが降臨。
    そりゃあ、ああなるよね。

  2. ばなななち より:

    牧野家に認めてもらうための勝負が始まりました!
    遊びに本気になれるか、終わりまで本気を通せるかどうか。
    一発でざっくりとした人柄、価値観を見るのに良い方法ですよね

  3. 還暦のたつお より:

    万さん優れたネゴシエーター。竹雄さん故郷でもモテモテ。目出たい日だが
    大きな心配事も。寿恵子さん察しが良い。タキさん体調にも関わらず凛としてしておられる。無理してないか心配。勝負って、それで百人一首?果たして??

  4. 名乗る程の者ではございません より:

    思わず反論してしまった万太郎に対して巨人師匠似の役人の顔色が変わる
    弟子やったらパンパンやな、お前
    この後、一体どうなってしまうのか

    という「ガチンコ」風味のナレーションが前回放送の最後に脳内再生されたわな(分かる奴だけわかればいい)

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