2023/4/27(木)第4週「ササユリ」
あらすじ
逸馬が説く自由についてもっと知りたいと考えた万太郎は、綾と竹雄を演説会場に残すと逸馬に連れられて「声明社」に足を運びました。そして万太郎は逸馬に言いました。自分は生きる道を選べない。自由になりたいと。
同じころ、綾は竹雄と向き合っていました。綾は、幸吉に対して抱いていた気持ちを竹雄に打ち明けました。そして自分の強欲を恥じる綾を竹雄は励まし、傷ついた綾の心は竹雄の言葉で癒されました。
一方の竹雄は綾に対して抱いている気持ちを打ち明けようとするものの、本心を口にすることができませんでした。そんな竹雄を綾は夜祭りに誘い、竹雄の手をとると二人して踊りの輪の中に入ってゆきました。
独特の考え方を持ち英語も堪能な万太郎のことをすっかり気に入った逸馬は、万太郎にある人物を紹介しました。その人物とは、ジョン万次郎こと中濱万次郎でした。ジョン万次郎の名声を知っていた万太郎は、その出会いに心から驚きました。
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感想
綾ちゃんと竹雄くん
今回のメインのお題は「万太郎くんが自由に目覚めるきっかけ」であることは承知していますが、綾ちゃんと竹雄くんの二人の場面にすべてを持って行かれてしまいました。
綾ちゃんと竹雄くんの二人が夜道で並ぶ姿があまりにも美しかったので。
さらに言えば綾ちゃんと竹雄くんの名演に心をわしづかみされました。
前回、意外なほど早く失恋からの立ち直りができたかに見えた綾ちゃんでしたが、やっぱり失恋の痛手は小さくない。
そんな失恋の痛手の気持ちを聞かされる竹雄くん。
失恋の痛手を負った気持ちを訴えるその人は、竹雄くんがずっと想いを寄せ続けてきた綾ちゃんという残酷。
しかし竹雄くんはあくまでも綾ちゃんの気持ち優先。
その場の空気で、うっかり自分の気持ちを打ち明けそうになるものの、すんでのところで言葉を濁しました。
「そんな綾様をお慕い・・・尊敬しています」
綾ちゃんと竹雄くん、この二人が本作のヒロインとその相手役と言っても差し支えないレベルの名場面に酔いました。
夜祭り
綾ちゃんと竹雄くんが向き合う場面に続いて、二人が足を運んだのは夜祭り。
夜祭りの場面で忘れられないのは『カムカムエヴリバディ』の初代ヒロインとその相手役の夜祭りの縁日のデートの場面。
ただし『カムカム』の夜祭りの場面は切ない終わり方をしました。
嫉妬にかられた相手役の弟から、「身分の差」という現実を突きつけられるような厳しい言葉を浴びせかけられたので。
一方、今回の夜祭りの二人は『カムカム』の二人以上に「身分の差」がある立場です。
しかし、そんな「身分の差」をかえりみず、綾ちゃんは竹雄くんの手をとりました。
綾ちゃんから腕をつかまれたときの竹雄くんの嬉しそうな表情、忘れられません。
ちょっとネタバレになりますが、この二人は将来結ばれます。
きっとそのフラグだったのでしょう、今回の夜祭りの場面は。
ジョン万次郎
チビ万太郎くんが「天狗」と信じた坂本龍馬は、自分の存在意義に悩むチビ万太郎くんが、自分の存在意義を認めるきっかけを提供してくれました。
一方、今回登場したジョン万次郎。
ドラマの中での役割が見えてきました。
青年になった万太郎くんは、峰屋の当主として生まれてしまった以上は、それ以外に生きる道の選択肢はないと思い込んでいます。
自分の生きる道は生まれる前から決まっているもの。
それがこれまでの万太郎くんの思い込み。
当時の人は、ほとんどがそんな考え方を持っていたのでしょう。
しかし、自分の生きる道は生まれる前から決まっているものではない、自分の生きる道は自分が決めることができるという考え方。
これまで万太郎くんが想像もできなかったような考え方があることを万太郎くんに教えてくれるのがジョン万次郎なのでしょう。
万太郎くん
自分の生きる道は自分で決められる。
現代は当たり前のこととして認識されているこの考え方ですが、万太郎くんの時代には多くの人が夢にも思わない考え方だったかと思います。
極端な言い方をすれば、犬として生まれたら犬にしかなれない、猫として生まれたら猫にしかなれない、人として生まれたら人にしかなれない。
ところが人として生まれてもそれ以外の存在になれる。
それくらい衝撃的な考え方だったのかもしれません、万太郎くんが逸馬さんから教えられた「自由」という概念は。
俗に言う「コペルニクス的転回」とは「パラダイムシフト」を経験した万太郎くん。
次回はジョン万次郎との会話によって、さらなる覚醒を経験することになるのでしょうか。
予習レビュー
今回登場するジョン万次郎こと中濱万次郎について簡単にまとめます。
ジョン万次郎こと中濱万次郎は、文政10年(1827年)土佐の中濱の貧しい漁師の次男として生まれる。
天保12年(1841年)万次郎は14歳のときに4人の漁師仲間と漁に出て遭難。
数日間の漂流を経て太平洋にある無人島「鳥島」に漂着し、そこで143日間の過酷な生活を経験しました。
そして万次郎たち5人はアメリカの捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助されハワイへ。
しかしホイットフィールド船長は利発な万次郎を気に入り、万次郎だけをアメリカ本土に連れて帰ることを希望し、万次郎もまた渡米を希望。
渡米後、ホイットフィールドの養子として迎えられた万次郎は、通わせてもらった学校で主席になるほどの秀才ぶりを発揮。
卒業後は捕鯨船の乗組員になった後、ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアの金鉱で資金を得ると、漁師仲間がいるハワイへ。
嘉永4年(1851年)、帰国を目指す24歳の万次郎は仲間たちとともに琉球に到着。
その2年後の嘉永6年(1853年)、ようやく土佐に帰郷。
藩校「教授館」の教授を経て、黒船来航によりアメリカの情報が必要だった幕府に招聘された万次郎は江戸へ。
その後、幕府からスパイの嫌疑をかけられ要職を解かれたり、新政府に再び登用されるなどした後、脳溢血に倒れ余生は静かに暮らすことに。
明治31年(1898年)死去、享年71歳。
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竹雄くん、綾ちゃんサイド
欲は前に進むためのちからです。
現代には持ってる人が少ないです。かくいう私もそうですが…
作品を通して伝えたいことが、物語に綺麗に盛り込まれていて、らんまん面白いです
お慕い…尊敬しております…
竹雄くんの家柄を考えて、言葉を途中で変えるシーン
表情と声色から竹雄くんの熱と思い、心の内が見えました!
ハートにガツンとくる名演、役者さんすごいです!
綾ちゃんが竹雄をみるようになったので、これから先が気になります!
万太郎くんサイド
辞書はないですか!
自由という未知を調べているときの万太郎くんのワクワクしている表情、
こっちまでワクワクします
綾さんの後悔。幸吉の名前が出たとたん顔が引きつる竹雄さん、でも綾さんの失恋を知り励ます。「若の邪魔をしゆうがぜす。」痛いなあ。「よしや節」ぐっと近ずく二人の距離。ジョン万次郎との出会い、坂本竜馬に次ぐ幕末の偉人の登場。仕事人じゃないよ。