らんまん

波多野と野宮のある発見 / らんまん 第110回

2023/9/1(金)第22週「オーギョーチ」

あらすじ

台湾から持ち帰った「オーギョーチ」を食べながら、万太郎は台湾の森の中で高熱に倒れたものの現地の人と「オーギョーチ」に命を救われた経験を語りました。その数日後、木箱10箱分の台湾の植物が十徳長屋に送られてきました。

同じころ、帝国大学の植物学教室では、野宮がついにイチョウの精虫の存在を発見。波多野は野宮に論文を書くように強くすすめました。波多野と野宮から精虫発見の知らせを聞かされた徳永は感極まりました。

一方、万太郎は台湾で採集した植物の研究に取り組み始めました。そして台湾での調査の報告書をまとめました。しかし、新種の学名に万太郎が現地の言葉を付けたことに対して細田が異を唱えました。

細田は新種の学名に日本語をつけろと強い言葉で訴えました。しかし万太郎は、細田の言葉を受け入れようとはしませんでした。同じころ、竹雄と綾が二人の子どもを連れて上京。十徳長屋に向かっていました。

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感想

本日から9月。

本作『らんまん』の最後の一ヶ月の初日です。

そして最後の一ヶ月の初日を含む今週は、最終章に向けてのフラグがいくつも立つ週でした。

寿恵子ちゃんのフラグ

今週、寿恵子ちゃんがみえさんと大輔さんから商売をしないかと提案を受けました。

陸軍の練兵場ができる渋谷で一軒家が売りに出されている。

その一軒家で商売を始めないかというのがみえさんと大輔さんの提案です。

みえさんと大輔さんがそんな提案をしたのは、寿恵子ちゃんの働きぶりを見込んでのことのはずです。

ちなみに来週は、寿恵子ちゃんが商売を始めるまでの一週間が描かれます。

寿恵子ちゃんが商売を始める決め手になるのは、今回の最後に再登場した竹雄くんと綾ちゃんの姿です。

今回、竹雄くんと綾ちゃんが上京した目的については触れずじまい。

竹雄くんと綾ちゃんが上京したのは東京で屋台の飲食店を始めるのが目的です。

そして屋台で働く竹雄くんと綾ちゃんの姿を見て、寿恵子ちゃんも自分で商売をしようと決意。

みえさんと大輔さんから商売をしないかと提案されて、寿恵子ちゃんの心の中にタネがまかれた。

そして、そのタネを発芽させるのが竹雄くんと綾ちゃん。

というわけでみえさんと大輔さんの提案、竹雄くんと綾ちゃんの上京、そして何より寿恵子ちゃんの「巳佐登」での働きぶり。

これらは次週に向けての重要なフラグです。

万太郎くんのフラグ

今週は万太郎くんが植物学教室に復活するところから始まりました。

田邊教授という「天敵」もいなくなり、居心地が良くなるはずだった植物学教室でしたが、田邊教授の在籍時よりも居心地が悪い。

万太郎くんはまた、台湾出張を命じられました。

万太郎くんはその出張命令を受け入れるものの、心から喜んで受け入れたようには見えない。

万太郎くんを推薦した人物の一人である植物学者の里中先生も、かつてのような植物愛が感じられない。

そして、台湾での報告書をまとめると今度は細田さんから文句を言われる。

今週の万太郎くんの環境は違和感だらけでした。

さて、来週の万太郎くんはスポンサーと出会います。

また翌々週の万太郎くんは独自の道を進むために大学の助手を辞職。

次週以降、独自の道を歩むと心に決める万太郎くんのフラグが、今週の一連の違和感だったような気がします。

今週の違和感を経て最終回まで、万太郎くんはどこに向かうのかな?

陳さん

最後に陳さんについて。

万太郎くんが台湾での植物採集を始めたとき、万太郎くんの後ろ姿に対して射るような視線を注いだ陳さんが怖かった。

もしかして万太郎くんを裏切るつもりなのか?

そんな目をしていました、陳さんは。

そして万太郎くんが高熱に倒れたとき、陳さんは実際に万太郎くんの荷物を物色。

ピストルを探していたようです。

もし万太郎くんがピストルを持っていたら、陳さんはピストルを盗んで逃亡したのかも。

しかしピストルがないとわかった後の陳さんは意外にも優しい青年に。

いろいろと謎の多かった陳さん。

彼の心の中をもう少し詳しく知りたかったです。

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予習レビュー

今週のサブタイトル「オーギョーチ」とは台湾の植物です。

今週、万太郎くんが植物採集のために台湾に旅立つ場面が描かれますが、史実ではリアル万太郎くんが台湾での植物採集の旅の中で「オーギョーチ」を発見しました。

リアル万太郎くんが台湾に渡ったのは、台湾が日本の統治下に入った翌年の1896年(明治29年)10月のこと。

台湾北部の基隆(キールン)に着いたリアル万太郎くんは、そこから台湾最南端の高雄(カオシュン」まで、台湾を縦断しながら植物採集を行いました。

その旅の過程で、台湾中南部・嘉義で新種らしき植物を採集。

その植物は1904年(明治37年)に新種として発表されました。

新種として発表された植物の俗称は日本語では愛玉子(アイギョクシ)、台湾語では「オーギョーチ」。

学名は「Ficus awkeotsang Makino」で、学名の中には「Makino」の文字が含まれています。

現在「オーギョーチ」といえば、台湾料理が好きな人ならよく知っているゼリーみたいなデザートのこと。

このゼリーみたいなデザートの原料がリアル万太郎くんが発見した新種の植物です。

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POSTED COMMENT

  1. ずんこ より:

    徳永教授と細田さんの気持ちも、分からないではないんですけどね。
    訳もなく見下されたりバカにされたら、そりゃあ「見返してやるッ」「今に見てろ!」という気持ちにもなりますね。
    分かるんだけど、やっぱり少し違うんじゃないかなと思ってしまいます。
    波多野くんと野宮さんは、ずっと昔から関心があり、その方向でずっと追い求めてきたものをついに見つけ出しました。
    その喜びは、本当に大きかったでしょう。
    でも徳永教授からの祝福のされ方には、違和感を感じていたようですね。

    国が急激に力をつけ、そのひずみがあちこちに現れているようです。

    万太郎くんの頑固発動。
    土佐人だけに、いごっそうですねぇ。
    その頑固さが身を助けている面もあるのだけど。

  2. 還暦のたつお より:

    名乗る程の者ではございません様。その精強ドイツ兵は柱の男のせいでほとんどギャグのような殺され方してましたね。あとアメリカのスピードワゴン財団とナチスドイツが協力しているのが、目的が共通しているとはいえ奇異な感じでした。あのエピソードはジョジョの中でも「レイダース失われたアーク」の影響を強く感じますね。

  3. 名乗る程の者ではございません より:

    え~っ!あさイチに新しい学校のリーダーズ出てたの?知らなかったから録画もしてねえっちゅうの😱
    リーダーズ大好きなんだよね、見たかったなあ😭

  4. 還暦のたつお より:

    案内の人、現地の人いいひと達で良かった。でもこれが、ピストルを持っていたら果たして。イチョウの精虫発見。喜びに沸く一同。徳永教授も珍しく大感激。「わしにしかできんこと。」それは一体?オーギョーチの学名。万さんの言い分は正しいのだが、万さんの学内での立場は悪くなりそう。姉夫婦来訪。朝イチのゲストは天狗様。この人には幕末明治の偉人をコンプリートして欲しい。土方歳三などは身長のある分、岡田准一さんよりも似合っていると思うのだが。

  5. 名乗る程の者ではございません より:

    前教授はアメリカを取り入れようとしていたが現教授・助教授はドイツに見下された恨みを晴らしたいんだよね
    ジョジョの奇妙な冒険第二部で汎用されている「我ドイツの◯◯は世界一~!」というゲルマン民族優越という意識はホント厄介だったんだね、以降二度も世界を災いに巻き込むんだから

  6. かず より:

    豆知識です。高雄をカオシュンと呼ぶのは厳密には間違いです。もちろん今はカオシュンとして登記されていますが、もともと現地語のタカオという地名に日本人が高雄の字を当てたのです(それまでは漢字地名無し)。
    戦後、大陸から中国人(北京語)が流入して、高雄の北京語(マンダリン)読みのカオシュンに変えたのでした。
    台湾現地語の歴史を考え、台湾の独自の歴史と文化を考えれば、タカオと呼んであげたい気がします。

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