2023/10/20(金)第3週「桃色争議や!」

あらすじ

大和礼子が劇団員たちのストライキを主張し始めました。一方のアオイはストライキに反対でした。アオイは、客に夢を見せるはずの劇団員が、ストライキによって客に現実を見せることになると異を唱えたのです。

アオイはまた、ストライキによって礼子の立場が危うくなるのが心配でした。そんなアオイの気持ちを知っても礼子は、会社の対応次第でストライキを決行するつもりでした。そしてストライキに参加するかどうか、礼子は劇団員たちに判断を委ねました。

ストライキに参加するかどうか、スズ子は迷いに迷いました。その翌日、スズ子は礼子について行くことを決めました。一方のアオイは、礼子がストライキを行うことに対して最後まで反対しました。

社長の大熊と向き合った礼子は自分の思いを吐露するものの、大熊が自ら下した決断をくつがえすことはありませんでした。ほどなくして礼子にひきいられ、スズ子たちはストライキを決行。山寺にこもりました。

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感想

大和礼子と橘アオイ

大和礼子と橘アオイ。

橘アオイが言いました。

「一人になっても踊る」

それに対して大和礼子が応えました。

「それでいい、つらぬいて」

お互いに認め合いながらも別々の道に進もうとする二人のトップスターの描写が圧巻でした。

自分を大切にできなければ、会社もお客さんも大切にできないと考える大和礼子は、会社と折り合いが付かなければストライキ決行の意思を固める。

一方の橘アオイは、ストライキによって厳しい現実をお客さんに見せるべきではないと考える。

しかし橘アオイがもっとも案じていることは、ストライキによって大和礼子の立場があやううくなることのような気がします。

大和礼子の立場があやうくなりかねないことが橘アオイの一番の心配ごと。

お客さんのためにストライキに反対するという気持ちもあるのかもしれませんが、それ以上に大和礼子を心配する気持ちが強い。

そんな橘アオイは、劇団内での立場が危うくなるリスクを大和礼子に告げました。

しかし大和礼子はそのリスクを十分に覚悟していました。

覚悟していることを大和礼子は口には出しませんでしたが、その表情が言葉以上に覚悟の強さを雄弁に語っていました。

その大和礼子の表情だけで橘アオイはすべてを察したようです。

大和礼子は会社と差し違える覚悟さえ固めているらしいことを。

そしてどれほど言葉を尽くして反対しようが、大和礼子の決心を変えることはできないことを。

橘アオイは言葉で説得することをあきらめた。

そして橘アオイは社長室の入り口に立ち塞がるという「実力行使」で大和礼子を止めようとした。

しかし大和礼子は、立ち塞がる橘アオイを跳ね除けるのではなく抱擁することで、決意は変わらないことを橘アオイに伝えました。

大和礼子に抱擁されたときに見せた橘アオイが見せた涙。

あれは二人のトップスターが別々の道を進み、もう元には戻らないことが決まった瞬間だったような気がします。

社長室で対峙する大和礼子と橘アオイの場面。

あまりにも切ない場面でした。

今週の振り返り

大和礼子が次回レビューに演出に抜擢されたところから今週がスタート。

肩に力が入りすぎた大和礼子のストイック過ぎる指導に新入生や和希ちゃんたちは音をあげ、劇団は空中分解寸前に。

しかし和希ちゃんが劇団をやめるやめないの騒動を起こしたことをきっかけに、大和礼子はそれまでの自分のあり方を反省。

和希ちゃんも退団を撤回。

空中分解しかけていた劇団員の心もようやく一つになりました。

ところで・・・

劇団員たちの心がバラバラになり劇団が空中分解しかけた末に、劇団員たちの結束がより強くなるまでのプロセスを描いたのにはわけがありました。

内部崩壊を食い止めようやく一つにまとまった劇団が、今度は外部の力によって分解させられてしまう悲劇を強調するためでした。

劇団員たちの心がまとまった直後に悲劇は始まりました。

劇団員たちの成長を見守っていた林部長は、劇団の飛躍を心から信じていました。

しかしそんな林部長に対して大熊社長は賃金と人員の削減を通告。

賃金の削減によって、退団を撤回することができた和希ちゃんも、泣く泣く退団。

劇団をやめたいとスズ子ちゃんに泣きつきながらも、その後は稽古を続けてゆくと決めた新入生たちも解雇。

人員の削減によって、楽団員の一部が解雇され、そのことがスズ子ちゃんたちの心の傷となりました。

そして、ついにストライキ決行。

次週の予告は波乱に満ちた展開になることが一目でわかるような映像が満載。

怒涛の展開の一週間になりそうな次週もどうぞよろしくお願いいたします。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

ドラマの中では大和礼子が「桃色争議」を主導し、橘アオイは「桃色争議」に対して反対の姿勢を示しています。

一方、史実では「桃色争議」は最初は東京で勃発。

東京松竹楽劇部の水の江瀧子さんが「桃色争議」を主導し、東京の少女部員たちを引き連れ神奈川県湯河原の宿に籠城。

それに賛同した大阪の飛鳥明子さんが大阪の少女部員たちを引き連れ高野山に立てこもりました。

史実の「桃色争議」の中心人物である水の江瀧子さんと飛鳥明子さん、この二名の人物について簡単にまとめてみました。

水の江瀧子さん
水の江瀧子さんは昭和3年(1928年)に東京松竹楽劇部の第1期生として入団。

男役を演ずるにあたり男性のように断髪。

この断髪は日本の少女歌劇史上初めてということもあり注目を集め「男装の麗人」と呼ばれるようになりました。

1930年代から1940年代にかけて「ターキー」の愛称で活躍し、昭和17年(1942年)に松竹を退団。

その後、映画女優を経て日本初の女性映画プロデューサーに。

『太陽の季節』や『狂った果実』などで日活の黄金時代に活躍しました。

飛鳥明子さん
飛鳥明子さんは、高等女学校を経て松竹楽劇部に入団。

クラシックバレエの名手として活躍しました。

そして大阪で「桃色争議」を主導し、楽劇部員たちの勝利を収めた後、争議を起こした責任をとって退団。

退団後に結婚するものの29歳の若さで亡くなりました。

ブログ主は大和礼子の実在モデルは水の江瀧子さんと思い込んでいましたが、飛鳥明子さんが大和礼子の実在モデルのようです。

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