2023/10/24(火)第4週「ワテ、香川に行くで」

あらすじ

山寺に立てこもってのストライキを続けていたある日、礼子が自分の過去の話をスズ子に語って聞かせました。家を出てまで踊りを続けて来られたのは、梅丸の社長・大熊に救いの手を差し伸べてもらったからなのだと。

一方の大熊は、劇団員たちの処遇に関してある決断を下していました。そのころ、礼子に想いを寄せいていたピアニストの股野もまた、自分の進む道についてある決断を下していました。股野は梅丸を辞めることを決めていました。

そんな中、カオルが大熊と向き合い直談判しました。自分が辞める代わりに劇団員たちが求めていることを受け入れてほしいと。食い下がるカオルに大熊は言いました。劇団員たちの求めはすべて受け入れるが礼子には辞めてもらうことになる。

同じころ股野は、礼子たちが立てこもっている山寺にやって来て、自分が下した決断と礼子への気持ちを打ち明けました。そんな中カオルと林部長も山寺にやって来ました。そして林は、大熊が下した決断を礼子に告げました。

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感想

「数字に厳しい」大熊社長

事前のアナウンスによれば、大熊社長というキャラクターは数字には厳しいが情に熱くて芸事をこよなく愛する人物とのこと。

「数字に厳しい」という一面はこれまで十分すぎるほど描かれて来ました。

特に「数字に厳しい」一面がはっきりと描かれたのは、林部長をあぜんとさせるような賃金カットと人員カットの決断の場面。

賃金カットと人員カットを大熊社長が言い出す直前まで、林部長は劇団員の将来を熱く語っていました。

そんなタイミングでの大熊社長の決断。

また、劇団員に愛情を注ぐ林部長と対比することで大熊社長の数字への厳しさが際立っていました。

冷酷な経営者にすら見えた描写の数々。

「数字に厳しい」一面はこれでもかというくらい描かれて来ました。

しかし「情に熱くて芸事をこよなく愛する」という一面は、前回まで描かれて来ませんでした。

その一面がついに大和礼子の回想を通して描かれました。

「情に熱くて芸事をこよなく愛する」大熊社長

家を飛び出たものの途方に暮れている大和礼子に対して大熊社長が言った言葉が、大熊社長の別の一面をすべて物語っていました。

「わしが親代わりや、絶対にお前さんのこと見たる」

親に反対されて踊りをやめた子はいくらでも見たが、親と絶縁してまで踊りを続けようとする子を見るのは初めてだ。

そんな理由で大和礼子を拾い上げていたとは。

もちろん大和礼子の秘めた才能を見出したということもあったのでしょう。

いくら踊りが好きでも才能がない、あるいは才能は芽生えそうもなければ、大熊社長が同じ対応をしたとは思えない。

とは言え、大熊茶長が大和礼子に救いの手を差し伸べたとき、大和礼子の才能のポテンシャルは見えたとしても、その才能が開花するかどうかはまた別の話。

大和礼子を引き受けたのはそれなりのリスクもとったはず。

そんなリスクをとってでも、大熊社長は大和礼子の踊りへの情熱にほだされたのかもしれません。

ところで事前のアナウンスによれば大熊社長は「涙もろい」一面も持ち合わせているのだとか。

「数字に厳しい」一面はこれまでさんざん描かれ、「情に熱くて芸事をこよなく愛する」も今回ようやく描かれました。

しかし「涙もろい」一面は、これまでの大熊社長からは想像できない。

制作発表時から今に至るまでに大熊社長の性格の変更があったのか、それともこれから描かれるのでしょうか。

「涙もろい」大熊社長

自分が拾い育て上げてきた大和礼子のことを、大熊社長は決して自分への裏切りとは考えていないとブログ主は信じています。

大和礼子がストライキを決行したのは劇団員を思ってのやむにやまれぬ行動なのだ。

大和礼子のとった行動を大熊社長はそんなふうに考えているに違いない。

また、大和礼子が劇団員を守るために梅丸と差し違える覚悟でいることも、大熊社長は重々承知しています。

大和礼子の気持ちをおそらく誰よりも理解しているのが大熊社長。

大熊社長はまた、大和礼子を娘のように思っている。

その大和礼子との別れを迎えたとき、大熊社長は初めて涙を見せるのでしょうか。

複雑なキャラクターが大好物なブログ主は、大熊社長に目が釘付けです。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

桃色争議の待遇改善の要求内容

桃色争議で会社側に出された待遇改善の内容は以下の通り。

・退職手当支給
・本人の意思によらない転勤をしない
・最低賃金制の制定
・定期昇給の実施
・公傷治療費の会社負担
・公傷及び疾病による欠勤は給料全額支給
・運動手当支給
・衛生設備等、施設の改善
・公休日、月給日制定
・兵役・軍事招集中の給料全額支給
・中間搾取の廃止
・不当解雇された女生徒の復帰
・医務室の設置
・生理休暇制定

なお、当時の劣悪な環境を訴えるレビューガールたちの言葉が残されています。

「あたし達の部屋は南京虫としらみとのみの巣だヮ」
「鮭と沢あんばっかりの弁当じゃ栄養カロリーが不足だヮ」
「月給と舞台手当を合わせてもおしろい代はおろか電車賃にだって足りないのよ」

桃色争議の結果

トップスターの水の江瀧子が世論を味方につけることに成功したことで、桃色争議は争議団に有利に運びました。

昭和8年(1933年)7月13日に労使交渉が開始。

7月17日に、生理休暇以外の改善要求が通ったことで交渉は妥結。

解雇者24人中5人は無条件復職、19名は2か月間の謹慎処分。

同年7月15日、東京で「協定文」が発表され、飛鳥明子は退団、水の江滝子が謹慎となりました。

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