2024/4/2(火)第1週「女賢しくて牛売り損なう?」
あらすじ
寅子は覚悟を決めて三度目のお見合いに挑むものの、見合い相手を怒らせてしまい失敗に終わりました。一方、猪爪家では兄の直道の結婚の準備が順調に進んでいました。直道の結婚相手は寅子の親友・花江でした。
ある日、花江と花江の両親を招いて猪爪家出晩餐会が開かれました。直道と花江の結婚の準備を進めたのははなでした。しかし晩餐会の席では、控え目なふりをして「すんっ」としているはなの表情が寅子は苦手でした。
花江は女学校の在学中に結婚することが夢で、その夢が叶う日が目前に迫っていました。花江の結婚観が普通であることを寅子も理解していました。しかし寅子は、その結婚観を受け入れることができませんでした。
その数日後、はなの親戚に不幸があり香川の丸亀に里帰りしました。はなの留守中、猪爪家で下宿して大学の夜間部に通う佐田優三に弁当を届けるため、寅子は大学に足を運びました。そこで寅子は教授の穂高重親、裁判官の桂場等一郎と出会いました。
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感想
三度目の失敗
アバンタイトルは前回の最後に描かれた見合いの失敗。
そのときの模様が前回よりも詳しく描かれました。
アバンタイトルで前回を引き継ぐ場合、前回のダイジェストになるのが定番のアバンタイトルです。
しかし今回のアバンタイトルは前回よりも詳しい描写。
珍しい演出だなと思いました。
語り
何かの記事で読んだのですが、本作では語りの量を意図的に増やしているとの由。
たしかに語りが多いです。
他の作品でも第1週は語りが多くなりがちです。
時代背景や登場人物たちの背景を語りによって説明することになるので。
しかし本作は、主人公の気持ちまで語りが代弁するようです。
今回も、最後の大学の場面で主人公本人以上に主人公の気持ちを語りが雄弁に語っていました。
主人公の気持ちを語りに代弁させることで、語りが通常よりも多めになった作品で思い出すのは『ちりとてちん』です。
『ちりとてちん』では、ドラマの中よりももっと成熟した主人公が、大人の視点から若かった自分を振り返るという語りでした。
一方、本作の語りは主人公の気持ちをリアルタイムで詳細に解説。
主人公もよくしゃべりそうですが、語りもまたよくしゃべりそうですね。
直道くんと花江ちゃんの結婚
兄の直道くんと親友の花江ちゃん、この二人が結婚することは放送開始前からわかっていました。
しかし、第1回の放送を観て大きな疑問が生じました。
花江ちゃん、どうして直道くんを結婚相手に選んだの?という疑問です。
放送が開始されるまで、直道くんのキャラは不明でした。
なので、ただの好青年なのかな?ぐらいに思っていたのですが、実際に放送が始まってみるとただの好青年とはとても言えないキャラです。
どちらかと言えば残念なキャラにカテゴライズされるかも。
そんなキャラの直道くんと、花江ちゃんはどうして結婚するのだろうか?
その疑問が第2回の放送で解消されました。
花江ちゃんは「直道くんとの結婚」を選んだのではなく「女学生時代のうちに結婚する夢」を叶える道を選んだだけ。
その夢を叶えるのに直道くんという存在は好都合だった。
それだけの理由のようです。(笑)
猪爪家は上流階級的な地位にいる家庭です。
トラちゃんの見合い相手が帝大卒のエリートばかりであることから、猪爪家の社会的なポジションは推察できます。
一方、花江ちゃんのご両親がかもし出す雰囲気からして、花江ちゃんの生家・米谷家もまた上流階級であるらしい。
なので直道くんと花江ちゃんの結婚は、猪爪家と米谷家、両家にとっても望ましい縁談です。
また花江ちゃんにしてみれば、猪爪家の家族のことはよく知っているはず。
花江ちゃん、夢を叶えるためにいいところに目をつけました。
花江ちゃん、なかなかの策士なのかもしれません。
放送が開始されるまで、花江ちゃんの存在は主人公を支える安定感のある親友キャラかと思っていました。
親友であることは間違いないようですが、主人公を支える安定感キャラという点は微妙になってきました。
しかしその微妙さがまた面白い。
放送2回目にして花江ちゃんのファンになってしまいました。
「はて?」
朝ドラの主人公の口ぐせとして、主人公の口から発せられる謎の言葉。
『あさが来た』の「びっくりポン」
『半分、青い。』の「ふぎょぎょ」
などなど。
久しくなかった主人公の口ぐせが戻ってきました。
「はて?」のことです。
しかも本作では「はて?」が主人公自らの口から発せられるだけでなく、劇中音楽にまでなっている。
アバンタイトルの演出といい本作は新しい試みを次々に打ち出してきますね。
実在モデル・三淵嘉子さんの幼少期の家庭環境
前回に引き続き、ヒロインの実在モデル・三淵嘉子さん(旧姓・武藤)の子供時代を簡単にまとめてみました。
前回の本欄で記したとおり、実在モデルのお父上・貞雄さんは大正2年(1913年)に台湾銀行のシンガポール支店に配属。
大正3年(1914年)ヒロインの実在モデル・嘉子さんが誕生。
しかし2年後の大正5年(1916年)貞雄さんは台湾銀行ニューヨーク支店に異動。
貞雄さんのニューヨーク支店勤務は単身赴任となり、武藤家の一家はお母上・ノブさんの実家がある香川県丸亀市で暮らすことになりました。
嘉子さんのお母上・ノブさんは幼少期に父を亡くし、子供が生まれなかった叔父夫婦の養子になりました。
ちなみに養父母の姓は武藤。
武藤家は裕福な家でしたが、ノブさんはその環境に甘やかされることなく極めて厳しく躾けられたと言われてます。
その武藤家の婿養子として迎えられたのが貞雄さんでした。
ドラマの中で主人公の父・親・猪爪直言は「妻のはるには頭が上がらない」というちょっと残念な夫という設定です。
この設定は実在の貞雄さんの家庭内でのマスオさん的なポジションを表現したものなのかもしれません。
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徐々にいろいろと見えてきて、面白くなってきましたね。
お見合い相手の横山くん。
行ってる事と行動とが、全然違うやん。
そこはかとない「らんまん」の高藤臭が…(笑)
そして、桂場氏の圧の強さよ…。
苦学生の優三さん。女性が無能力者?偶然にも運命を左右する恩師と出会い。でも御用聞きって何故みんな三河屋?