2024/4/17(水)第3週「女は三界に家なし?」
あらすじ
寅子たちによる法廷劇が始まってすぐに男子学生・小橋たちに妨害され、法廷劇は中止になってしまいました。法廷劇の中止に至る騒動は新聞記者が取材に来るほどの騒ぎになり、寅子たちは学長から厳しく注意を受けました。
一方、小橋たちの妨害に始まる一連の騒動の中で、よねが足を負傷してしまいました。よねは一人で歩くのが困難になったため、寅子たちはよねが住み込み働いている上野にあるカフェーまで送り届けることにしました。
女子部の面々に助けられたよねは、貧しい生い立ちや男装している理由を語り始めました。よねは貧しい農家の次女でした。そして姉が15のときに売られたのを機に「男」になって生家から逃走。女郎として働く姉の紹介でカフェで働くことになったのです。
しばらくして、姉が置屋に金をだまし取られていたことが発覚。ある弁護士が置屋から金を取り戻したものの、よねは失踪しました。そんな中でよねは、姉の金を使って弁護士になり「武器」を手に入れようと決意したのです。
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感想
ドラマの時代背景
明律大学の場面で登場する人物の中で主人公についで一番とがっている存在であるよねちゃんの過去の詳細がついに語られました。
そしてドラマの背景となっている時代がどんな時代なのかがはっきりと見えてきました。
猪爪家の面々は庶民的に描かれていますが、実はセレブ家庭かセレブに近い家庭です。
直言さんとはるさん夫婦が穂高教授と親しい間柄という一点から、セレブであることが推察できます。
穂高教授は単なる大学教授ではなく、格の違う学者なので。
涼子さまが来たことで猪爪家が余計に庶民的に見えてしまったので、当時の庶民の平均の暮らしをしているのが猪爪家。
そんな錯覚におちいっていましたが、猪爪家は平均的な庶民ではなくセレブ。
よねちゃんの生家が平均とは言わないまでも、よねちゃんの生家のような家が普通にあった時代なわけですね。
ドラマの時代背景は。
よねちゃんの過去の語らせ方
よねちゃんの過去の話があまりにも衝撃的だったのでうっかり見過ごすところでしたが、よねちゃんに過去を語らせるまでの段取りが秀逸です。
実はブログ主は今回のよねちゃんが過去を語る場面に違和感を感じていました。
よねちゃん、学友たちに気の毒な身の上話をするタイプか?って。
しかし実際にはカフェーのマスターが、よねちゃんには断りなくよねちゃんの過去を語ろうとしました。
しかし、よねちゃん本人がいないところでよねちゃんの過去の話を聞きたくないとトラちゃんが言いました。
そのトラちゃんの言葉を聞いていたらしいよねちゃんが、詮索されたくないから自分の口から言うと語り出す。
これならば、よねちゃんが自分の過去を語るのも納得です。
キャラのイメージを壊さないように細かいところまでよく出来た脚本だなと思ったことでした。
よねちゃんを助けた弁護士
よねちゃんを助けた弁護士のキャラがエグい!
よねちゃんのお姉さんが稼いだ金をだまし取られたことを聞きつけたらしい弁護士は、よねちゃんに救いの手を差し伸べる。
しかし、その「救いの手」はよねちゃんの頬を撫でまわす。
弁護士のそれ以上の描写は、さすがに朝ドラではエグすぎるので省かれましたが「何か」と引き換えに弁護士が「救いの手」をよねちゃんに差し伸べたのは間違いない。
しかも弁護士報酬までしっかり取って。
弁護士の先生、法律で弱きを助ける正義の弁護士ではないらしい。
大阪の朝ドラには生臭いサイドキャラがよく登場しますが、東京の朝ドラのサイドキャラは品行方正な人物が多い傾向にある、というのがブログ主の観察です。
今回のような場面なら、法律の力を使って弱きを助ける弁護士として描かれるところ。
そして、それを機によねちゃんも法律の力を使って弱きを助ける弁護士を目指すというのがよくありがちな東京の朝ドラの展開です。
しかし本作は違います。
よねちゃんに差し伸べた「救いの手」は下心丸出し。
そして、そんな弁護士に助けられたよねちゃんは、法律で弱きを守る弁護士ではなく、法律を武器にして復讐に燃える弁護士を目指すことに。
ブラック過ぎる展開に驚くばかりですが、ブラックな展開はブログ主は大好物。
話がそれますが来週描かれるはずの梅子さんの家庭内もまあまあブラック。
そして梅子さんの家庭内のブラックな事情がかなり先になって回収されるのですが、その回収のされ方も真っ黒です。
カカオ90%のチョコレートみたいなビターな本作、これからがますます楽しみになってきました。
追伸:初登場時には胡散臭く見えなくもなかったカフェーのマスターが、歓楽街界隈では一番まともな人らしい。
そんなギャップも楽しい本作です。
予習レビューと史実のリアルエピソード
主に創作エピソードが描かれる今週の予習レビュー欄では、第1週&第2週で描かれたエピソードのモチーフとなった史実をご紹介します。
『らんまん』の田邊教授が校長をつとめていた女学校
ドラマの中のトラちゃんは女学校に通っています。
では、リアルトラちゃんはどうだったか?
リアルトラちゃんも女学校に通っていました。
リアルトラちゃんが在籍していた女学校は「東京女子師範学校附属高等女学校」。
同校は『らんまん』の田邊教授の実在モデルである矢田部良吉氏が校長をつとめていた時期があります。
『らんまん』の中でも田邊教授が女学校の校長に就任したというセリフがありましたが、田邊教授が校長をつとめいたことがある女学校にトラちゃんは通っているものと思われます。
「東京女子師範学校附属高等女学校」はお茶の水にありました。
ドラマの中で、トラちゃんと花江ちゃんが学校帰りに渡っている橋はおそらくお茶の水のシンボルである「聖橋」。
そして橋の向こうに見えるのはお茶の水のもう一つのシンボル「ニコライ堂」。
なのでドラマの中のトラちゃんが通っている女学校は「東京女子師範学校附属高等女学校」をモデルにした女学校であると言って差し支えないでしょう。
ただし、『らんまん』の田邊教授が校長をつとめていたのは明治。
トラちゃんが女学校に通っているのは昭和です。
女子部法科への進学を相談
ドラマの中でトラちゃんが女子部法科への進学を直言さんに相談した際、直言さんが言いました。
トラがいやがっているのに見合いをすすめることに抵抗があった、と。
この場面、ドラマの中ではカットされましたが、トラは法学に向いているという直言さんのセリフもありました。
このエピソードの史実のリアルエピソードは次のとおりです。
リアルトラちゃんのお父上は言いました。
普通のお嫁さんになる女にはなるな。
何か専門の仕事を持つための勉強をしろ。
医者か弁護士はどうかと。
このお父上の言葉に従い、リアルトラちゃんは弁護士の道を選びました。
医者ではなく弁護士を選んだのは、血を見るのが怖かったからということです。
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カフェーのマスターが、中村先生だと観て、モネと交錯すると楽しいです。
よねさんが先に突き飛ばされたのだから、これは正当防衛、
というのもこの時代は通じないのかー。
優三さん、寅ちゃんの立場が悪くならないように
身体を張って偉い‼︎でもさらっと流されて余り映像に残ってない(笑)。
ストーリー上どうしても存在しなければならない
クズ男子学生及び男性の描かれ方がちょっとそのまますぎる気が。
ちょっとした乱闘騒ぎ、巻き添え優三さん。直言さん親バカ過ぎ。涼子さん正論だが、よねさん納得できず。自ら語るよねさんの辛い過去。緒方って弁護士微妙に怪しい、結局不幸な決着。学資は姉の示談金だったのか、なのでなおさら。