ばけばけ

傳に回復に兆しが見える / ばけばけ 15回

2025/10/17(金)第3週「ヨーコソ、マツノケヘ。」

あらすじ

トキの献身的な看病の甲斐もあり、傳の病状に回復の兆しが見え始めて来ました。トキは傳の病気が回復に向かいつつあることを、社長代理をつとめている三之丞に報告するものの、三之丞はその報告に関心を示しませんでした。

そんな中、検番の平井が失敗を繰り返すせんを厳しく叱責。激昂するあまり平井はせんに対して手を上げてしまいました。そこへ姿を表した傳が平井の態度に激怒。さらに傳は三之丞に詰め寄り事態の説明を求めました。

しかし傳に反発した三之丞はトキが傳とタエの実の子であることを話してしまいました。ところがトキは冷静でした。そしてトキはすべてを知っていたと傳とタエに告げました。トキの冷静さは傳とタエを安心させました。

これからも自分は松野の子だというトキの言葉を聞いた傳は安心して息を引き取りました。傳の葬儀が行われた夜、トキは取り乱したいと言って一人家を出ました。そして偶然に会ったサワの胸の中でトキは号泣するのでした。

<<前回14回 | 次回16回>>

第3週 | 第4週 | 第5週 | 第6週 | 第7週
第8週 | 第9週 | 第10週 | 第11週 | 第12週
第13週
ばけばけ|感想あらすじネタバレトップページ

Sponsored Link

感想

今週は、主人公のトキちゃんの出生の秘密が明らかになるまでの展開が最大の見どころとなった一週間でした。

今週の振り返り:松野家

前週までもトキちゃんには何か過去がありそうだ。

そんな「過去の秘密」を暗示するような描写が繰り返し描かれてきました。

今週、その「過去の秘密」描写が直接的になりました。

直接的な最初の描写は松野家でのことでした。

傳さんが病に倒れたことで、傳さんの看病のために雨清水家に通い始めたトキちゃん。

連日、トキちゃんの帰宅が遅くなる中で司之介さんとフミさんはトキちゃんのことが心配です。

しかし心配していたのはトキちゃんの帰りが遅くなることではありませんでした。

傳さんが「あのあの話」をトキちゃんにしてしまったらどうしよう。

傳さんがトキちゃんを雨清水家に取り戻してしまい、返してくれなくなったらどうしよう。

司之介さんとフミさんが心配していたのはその点でした。

そして心配していることを、そのまま口に出してしまう司之介さんとフミさん。

銀二郎くんが在宅中なのにうかつでした。

その直後、絶対に口外するなと銀二郎くんに告げた勘右衛門さんの態度。

あのときの勘右衛門さんの本気の様子がそれまで隠されていた「秘密感」を強調。

トキちゃんの出生の秘密を視聴者が知ってしまう瞬間でした。

これがトキちゃんの出生の秘密が明らかになった最初の場面でした。

トキちゃんは松野家の養子であること。

雨清水家の実子であることがはじめて明かされました。

今週の振り返り:雨清水家

そして雨清水家。

雨清水家においても、前週までの間にも「秘密」を匂わすような描写は繰り返し登場しました。

しかし今週、トキちゃんが傳さんの看病を終えて自宅に帰った後、傳さんとタエさん二人きりの場面で、実の両親の口からもトキちゃんの過去が語られました。

トキちゃんをどうしても娘として愛さずにはいられない気持ちを打ち明ける傳さん。

意外にもタエさんも同じ気持ちでいました。

傳さんとタエさん、実の両親の口からもトキちゃんの出生の秘密が語られることで、トキちゃんは雨清水家の子であることはまぎれもない事実であることを視聴者は知りました。

ところで松野家で秘密が発覚した際、期せずして秘密を耳にしてしまったのは銀二郎くんでした。

一方の雨清水家では、期せずして秘密を耳にしてしまったのはよりによって三之丞くんでした。

銀二郎くんはその立場から考えてトキちゃんの出生の秘密を知ったところでそれほどのショックは受けないかと思います。

でも三之丞くんはどうでしょうか。

三之丞くんはかねてよりトキちゃんに対して複雑な気持ちを抱いていました。

よその子なのに何故自分よりも傳さんにあれほど可愛がられるのかと。

そんな嫉妬の対象が実は血がつながっていると分かったら、三之丞くんどんな気持ちがしたのでしょうか。

そして今回。

その三之丞くんの気持ちが爆発してしまいました。

トキちゃん

三之丞くんがトキちゃんの出生の秘密を暴露。

ついにこの瞬間がきました。

しかしトキちゃんの反応は意外でした。

「もう、知っちょります」

トキちゃん、誰に聞いたわけでもなく真実を知っていたらしい。

ところが雨清水の両親にも松野の両親にもその素振りすら見せない。

トキちゃんはやっぱり「武士の娘」なんだと確信した瞬間です。

インスタントラーメンの発明者の義母の「自称武士の娘」との格の違いを感じた瞬間でもありました。

Sponsored Link



予習レビューと史実のリアルエピソード

今週の時代背景

すでに零落していた松野家。

没落への道を歩み始めてしまった雨清水家。

この時代、リアルではどのような状態だったのか。

以下に簡単にまとめてみました。

明治7年(1874年)から明治8年(1875年)にかけて、明治新政府は士族の起業を促すための政策を実施。

士族に対して起業資金を与えることにしました。

ただし資金提供には条件がありました。

士族は家禄を奉還する。

それと引き換えに、家禄の6年分に相当する資金を一括して提供。

退職金というまとまったお金を元手にして起業するサラリーマンがいますが、イメージとしてはそんなところでしょうか。

この政策が実施されると全国の士族の約25%が起業資金の提供を受けました。

ところが・・・

世間の世知辛さを知らない士族は次々と詐欺に遭いました。

なんと資金提供を受けた士族のうち8〜9割が詐欺に遭い起業のための資金を騙し取られました。

さらに屋敷なども失い貧民に転落。

【史実】松野家の実在モデル・稲垣家の零落

司之介さんの実在モデルである稲垣金十郎さんは、上述した明治新政府の政策で家禄を奉還し、起業資金として680円50銭7厘の提供を受けました。

ドラマの中では600円あると小学校に100年通えるとのことでしたが、それぐらいのまとまったお金を稲垣家は手に入れたわけです。

一方、ドラマの中で司之介さんはどこぞで借金をしてウサギを仕入れ。

その直後、ウサギの相場が崩れてウサギは不良在庫となり、借金だけが残る結果となりました。

以上がドラマで描かれた松野家零落のきっかけでしたが、司之介さんの実在モデルの稲垣金十郎さんは、上述の詐欺に遭い借金を抱えました。

当時、資金を得た士族を狙った詐欺が横行していたため新聞で注意が呼び掛けられていました。

しかし稲垣金十郎さんはお人好しの性格だったようです。

詐欺師に騙された稲垣金十郎さんは、手に入れた資金を失っただけでなく屋敷も手放すことになり、城下町のはずれへの転居を余儀なくされました。

また、小学校が大好きで成績優秀だったセツさんも通学を断念することになりました。

【史実】雨清水家の実在モデル・小泉家の没落

傳さんの実在モデル・小泉湊さんも、上記の明治新政府の政策で家禄を奉還し起業資金を獲得。

その起業資金を元手にして機織会社を起業しました。

ドラマの中では傳さんの起業資金については触れられませんでしたが、史実ではこのような経緯を経て起業資金を手に入れていました。

小泉湊さんは機織会社を起業すると士族の娘たちを雇用。

士族の娘たちに安心して仕事をする機会を提供し、士族の娘たちが織り上げた織物は大阪などで販売されました。

トキちゃんの実在モデルである小泉セツさんがこの機織会社で働き始めたのは11歳のとき。

そして小泉セツさんが結婚した18歳のころに機織会社は倒産。

機織会社の倒産によって小泉家は全財産を失いました。

屋敷を追われた小泉家はその後、転居しては転居先を追われる日々。

そんな中で家督を継ぐはずだった長男の出奔、次男の早逝など不幸が続く中、傳さんの実在モデルの小泉湊さんも病死。

小泉家は没落しました。

<<前回14回 | 次回16回>>

第3週 | 第4週 | 第5週 | 第6週 | 第7週
第8週 | 第9週 | 第10週 | 第11週 | 第12週
第13週
ばけばけ|感想あらすじネタバレトップページ

POSTED COMMENT

  1. 名乗るほどの者ではない より:

    予告より、この時代どうやって松江から東京まで行くんだろう?船で下関経由して?歩いて広島辺りまで行きそこから海路?もしかしたら「砂の器」みたいな過酷な徒歩ルート?
    まあ来週には分かるのかな?最近の朝ドラは細かいところ割愛されるから知らんけど
    因みに「砂の器」で個人的にですが妙に印象深いシーンが特急車内にて元Gメンの親分演じる今西警部が「食堂車でビールでも飲むか?」と元千葉県知事演じる吉村刑事を誘いぐっと一杯しているところ、めちゃめちゃ美味そうなんだよね

  2. 名乗る程の者ではございません様。タエさんの中の人の旦那さんって、竹下元総理のお孫さんでしたね。竹下さんと言えば島根が地元。意図的なキャスティング?テーマ曲の歌詞って日によって変わってません?平井さんあからさまなパワハラ、この時代でも負傷する程の暴力は如何なものか。傳
    さん最悪のタイミングで。三之丞さんの監督責任は大きいけど何も教えなかった傳様にも責任が。傳様ショックと心労で倒れ。トキさん、三之丞さんから出生の秘密を。トキさんの強がりか、薄々気が付いていたのか。傳様遂に逝く。気落ちするトキさんに家族の思いやり。「一人になって取り乱したい。」本当に強い人でないと言えない台詞。😢「取り乱しかたがわからない。」でも号泣。😢サワさんの胸で泣き。好きなだけ泣けばよい。😢

    • 名乗るほどの者ではない より:

      還暦のたつお様
      コメントへの反応ありがとうございます
      竹下登元総理のお孫さん、元日の格付けランキングで二年連続GACKT様を映す価値なしに落とすという爪跡を残しましたね
      どうにも世襲議員ってあまり好きではないのですが、逆に政治家にならないでタレントや俳優になった孝太郎さんや良純さんと同じくDAIGOさんは好きですね

  3. 名乗るほどの者ではない より:

    因みにタエさんの中の人は料理が上手い(らしい)、その中の人の旦那さんも料理番組やっていたぐらいだからそれなりには料理が上手い(かも)、ただし旦那の舌はかなりのバカ舌だ(断言! これは元旦の某人気番組のおかげで国民が知っていること)

名乗るほどの者ではない へ返信するコメントをキャンセル