らんまん

東京での下宿先見つかる / らんまん 第28回

2023/5/10(水)第6週「ドクダミ」

あらすじ

万太郎が「十徳長屋」にたどり着き、万太郎のトランクを盗んだ倉木と遭遇したそのとき、倉木は植物標本を燃やそうとしているところでした。植物標本が燃やされるのを阻止した万太郎は、植物標本を返すよう倉木と交渉を開始。

そこへ、万太郎のトランクを質屋に持ち込んだえいが姿をあらわしました。えいは倉木の妻でした。えいはトランクを盗んだことを隠していた倉木をとがめました。そのとき、倉木夫婦の子供が熱を出して寝込んでいました。

万太郎は医者を呼ぶよう倉木に告げました。そして携帯していた熱冷ましを与え、医者への支払いも万太郎が立て替えました。その日の夜、万太郎と竹雄は長屋の住人たちに夕食に招かれました。

夕食の後、万太郎と竹雄は「十徳長屋」の一室に泊めてもらいました。そして翌日の朝、差配人のりんから「十徳長屋」に空き部屋があることを聞かされた万太郎は、りんに頼み込みました。ここに住まわせてほしいと。

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感想

「男が惚れる男」

万太郎くんの気迫に圧倒されました。

そして万太郎くんの気迫を通じて、標本にしてある植物をどれほどの思いで採集したのかが見え隠れしていました。

これはリアル万太郎くんの実話ですが、土佐での植物採集は文字どおりの命がけ。

一歩足を踏み違えれば急峻な崖から転落するような場所で採集を行ったり、着物だけで山に入り大雨に打たれて命の危機にさらされることも。

そのあたりの描写はドラマの中では省かれましたが、万太郎くんが言ったように植物標本は命そのもの。

倉木さんを怒鳴りつけた万太郎くんの反応はもっともなものです。

その一方で、倉木さんの子供が熱を出したと知り、それを他人事だと思えない万太郎くん。

病弱で発熱を繰り返していた自分の幼少の頃のことを思い出したのでしょう。

朝ドラの主人公が女性の場合、比喩的に「男前」という表現が使われますが、万太郎くんの場合は比喩ではなく「男前」そのもの。

俗に言う「男が惚れる男」でした。

以前も本欄で述べましたが、青年期に入った直後の博覧会会場での万太郎くんの「ゲコゲコ」には落胆していました。

あのときの落胆した気持ちも今回の万太郎くんの姿で完全にデリートされました。

めでたし。

話がそれますが、万太郎くんが倉木さんの息子を助けた件。

万太郎くんとしては、自分の幼い頃のこともあるので他人ごととは思えず放っておけなかったのでしょう。

万太郎くんは自分が携帯していた薬を与え、医者の往診代やら薬代やらも立て替えました。

しかし期せずして非礼な倉木さんへも「いい薬」になりました。

ある意味で万太郎くんの親切は、倉木さんにとってはぐうの音も出ないほどの手厳しい意趣返しになったかと。

万太郎くんはそこまでは考えていないでしょうが、倉木さん、一本も二本も取られました。

素直にお礼を言えない倉木さん

一本も二本も取られてしまった倉木さん。

思いがけない斜め上からの「意趣返し」で立場を失い、素直にお礼が言えない。

倉木さんの気持ち、わからないでもないです。

しかし、きっと何らかの形で感謝の気持ちを万太郎くんに伝えるのでしょう。

それがどんな形になるのか。

素直になれない倉木さんと万太郎くんの関係を修復されるプロセス。

また、背中の傷以上に心に深い傷をおっているらしい倉木さんの過去。

倉木さんのこれからの変化の描写、楽しみが一つ増えました。

万太郎くんの東京での拠点

ようやく万太郎くんの東京での拠点が決まりました。

自分の命と同等の植物標本を盗んだ男が暮らす長屋で暮らすことに。

倉木さんにとってみれば、これもまた万太郎くんからの「意趣返し」みたいなもの。

倉木さん、ますます追い詰められる格好に。(笑)

倉木さん、お気の毒。

これを機に悪いことはしていけないと学習してほしいものです。

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予習レビュー

万太郎くんと竹雄くんの下宿先として決まった「十徳長屋」では、多くの登場人物が新たに登場します。

まずは万太郎くんが「十徳長屋」にたどり着くきっかけを作った倉木隼人。

万太郎くんが倉木隼人と出会ったころは酒と博打におぼれるただれた生活を送っていますが、もとは幕末に徳川慶喜の警護などに当たった彰義隊員。

戊辰戦争の一環である上野戦争の生き残りという設定です。

そして、倉木隼人の奥様・倉木えいは、万太郎くんが「十徳長屋」に住む直接的なきっかけをつくる登場人物です。

さらに、「十徳長屋」の差配人・江口りん。

魚の干物を売り歩いて生計を立てている及川福治。

小料理屋の女中で、わけありの過去があるらしい宇佐美ゆう。

噺家の牛久亭久兵衛。

さらに、倉木夫妻の息子や、魚の干物屋さんの及川氏には娘がいます。

ブログ主は、朝ドラ主人公が暮らす共同住宅の、わけありで愛すべき愉快な住人たちの群像劇が大好物です。

愉快な住人(または愉快な変人)の笑いあり涙ありのドラマ、期待しています。

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POSTED COMMENT

  1. 睡井 京司 より:

    単純な疑問です。
     百円出すと啖呵を切って返してもらいましたが、その後の介抱や立替があって、無言のうちに反故になってしまうのでしょうか?
     これ親子間でやったら、子供から完全に信用失いそうです
      
     啖呵を切って守らせた約束は、こちらも守らねば。

     それとも、「盗んで申し訳なかった」の場面を、脳内で思い浮かべていればいいのでしょうか?

  2. 還暦のたつお より:

    また間違えました。安藤玉枝さんではなく正しくは安藤玉恵さんでした。謹んでお詫び致します。

  3. ずんこ より:

    今日初めて、万太郎くんをカッコいいと思いました。
    堂々と毅然として倉木さんを一喝する姿。
    しびれました。
    またそこからの、熱を出した子供への神対応。
    表情、雰囲気の振れ幅の大きさ。変わり身の早さ。
    神木くん、さすがです。

    難を言えば…
    朝っぱらから、むくつけきをのこの脛毛は見たくなかった
    という点です(笑)
    でもあの部屋、壁いっぱいにアルファベットが書いてあったりして、部屋の主のむくつけきをのこはいったい何者なんでしょう?

    また、気の良さそうな長屋の住人たちの人となりを知っていくのも、これからの楽しみですね。

  4. ばなななち より:

    青年期のゲコゲコで思ったのですが、
    あのときの万太郎くんは井の中の蛙でいることの表現だったのかもしれませんね

  5. ばなななち より:

    万太郎くんの植物への覚悟、最高です
    体が弱い経験を活かした看病もよかった
    成長を感じられる物語はやはりいいものですね

    長屋の一体感、金はないけど心の暖かさを感じます
    先が気になりますねえ

  6. 還暦のたつお より:

    神木さんで、戊辰戦争絡みだとどうしても「るろうに剣心」を連想します。神木さんあの時は悪役だったけど。無頼漢倉木と万太郎さん必死の駆け引き。無頼漢倉木以外長屋の人は皆いい人そう。万太郎さん倉木の息子にどこか自分を重ねている。腹は正直。近所の人のおすそ分け。上野の戦い。新政府軍の指揮をしていたのは、大河ドラマ「花神」の主人公、大村益次郎。差配人、名女優安藤玉枝さん登場(阿佐ヶ谷姉妹)住まい決まりそうで何より。

  7. 名乗る程の者ではございません より:

    うん、当面は山谷花純ちゃんの活躍を楽しみのひとつに見れますね、「あまちゃん」にもチラッとですが出ていましたね
    この人、長澤まさみさんや綾瀬はるかさんと同じく役づくりのためにボウズにするぐらい根性ありますので好きなんですわ
    それに最近はすっかり露出が減ったAKB48の中でかなり露出は多いOGメンバーのひとりで私の推メン生駒ちゃんの親友ですしね

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