虎に翼

寅子たちが法廷劇を上演 / 虎に翼 第11回

2024/4/15(月)第3週「女は三界に家なし?」

あらすじ

昭和8年(1938年)、寅子が名律大学女子部の2年生になって半年。女子部は退学者の続出と入学者の減少で存続があやぶまれる事態になりました。寅子は女子部存続のために出来ることは何でもやろうと気合を入れました。

そんな中、寅子たちは女子部の宣伝のために法廷劇を上演することになりました。演目として決まった「毒まんじゅう事件」は、実際の判例を元にしたものでした。法廷劇の脚本を担当するのは涼子。よねも参加することになりました。

ある日、衣装づくりのために法廷劇に参加する女子部の面々が寅子の家に集まりました。そして面々を迎えた花江のことを、香淑は女中だと勘違いしました。寅子は花江を義理の姉だと紹介するものの、花江の表情は晴れませんでした。

そのころ花江は悩んでいました。自分がはるから嫁として認めてもらえているのか、花江は自信がなかったのです。花江は寅子に言いました。自分は女中みたいなもの。寅子には嫁に来た者の気持ちはわからないと。

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感想

花江ちゃんのため息

花江ちゃんがピンチです。

自分なんて女中みたいなもの。

嫁に来た者の気持ちはわからない。

結婚前の花江ちゃんらしからぬネガティブな言葉の連発です。

花江ちゃんのピンチの兆候、思えば前週に一瞬だけありました。

花江ちゃんがはるさんと一緒に食事の支度をしている場面でのこと。

花江ちゃんがお出汁の味をはるさんに確かめてもらいました。

そのときはるさんが何を言ったのかは失念しましたが、花江ちゃんのお出汁の味を認めなかったことだけは確か。

厳しい口調ではなかったものの、花江ちゃんは一瞬だけ悲しそうな表情を浮かべました。

花江ちゃんが一瞬だけ浮かべたあの悲しそうな表情が、今にして思えば今回の花江ちゃんのフラグでした。

ところで花江ちゃんが結婚する前、トラちゃんが見合いから逃げ回っていたころ。

花江ちゃんがトラちゃんに言いました。

結婚してその家で一番を目指してみてはどうかと。

あのときの花江ちゃんのトラちゃんへのアドバイス。

それは自分自身が目指していたものなのでしょう。

直道くんと結婚したら、自分は猪爪家の中で一番の存在になろうと。

ところが現実は厳しかった。

はるさんは決して嫁いびりするような意地悪な姑ではありません。

しかし安易に嫁を甘やかすような姑でもありません。

一方の花江ちゃんは、想像するにお嬢さん育ち。

嫁として認められ嫁ぎ先で一番になることを簡単に考えていたのでしょう。

ちなみに今週は金曜日まで花江ちゃんが悩む描写が続くはずです。

花江ちゃんの悩み、今週中に解消されるのでしょうか。

ネタバレあり:フラグの数々

前週、今回の花江ちゃんの悩みのフラグらしきものが立ったとき。

花江ちゃんが一瞬だけ浮かべた悲しげな表情はもしかするとフラグ?とは思ったものの、その時は本欄ではスルーしました。

確信が持てなかったので。

しかしやっぱりあの表情はフラグだったようです。

本作はフラグをいくつも埋め込むタイプの作品なのかもしれない。

そんな目で見ると、今回はフラグらしきものがいくつも見えてきました。

まずはトラちゃんが「月のもの」で学校を休む場面。

唐突とも言えるこの描写、数週間先で重要な場面でトラちゃんが「月のもの」で苦しむ描写があり、そのときのフラグかと思われます。

フラグというより、数週間先の重要な場面で「月のもの」の描写に唐突感が出ないための緩衝材なのかもしれませんが。

トラちゃんが司法試験に一発で合格すると宣言。

この宣言どおりになるので、これもフラグ?

そして、意外にも女子部に面々と一緒に法廷劇に参加することにしたよねちゃん。

法廷劇に参加するという意外な一面を見せながらも、衣装づくりをしようというトラちゃんからの誘いは一蹴。

トラちゃんの誘いの言葉に「そんなとこ行くかよ」と強がっていましたが、実はそんなヒマはないというよねちゃんの知られざる事情を隠すため?

その知られざる事情は今週に描かれるはず。

そのときのフラグがよねちゃんの断り方かと。

また、泣き虫キャラの先輩・中山さんのメンタルの弱さもまた、この先のどこかで回収されるはずです。

随所に埋め込まれたフラグ探しも本作の楽しみ方の一つになるかもしれません。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

今週のエピソードは、名律祭での法廷劇の上演。

これまで伏せられていたよねさんの過去、などなど。

史実をモチーフにしない、あるいは歴史の記録の中にあった小さなエピソードをヒントにした創作エピソードと思われます。

そこで今週の本欄では、第1週&第2週で描かれたエピソードのモチーフとなった史実をご紹介します。

女子部の生徒数が減少

今週のエピソードの多くは創作と思われます。

しかし、「明律大学女子部法科」の生徒数が減少するというエピソードは史実をモチーフにしています。

史実では、大学は初年度の定員を300名としていました。

ところが、リアルトラちゃんが入学したころ、女子部全体でわずか100名の生徒しかいませんでした。

リアルトラちゃんの一学年上が50名。

リアルトラちゃんの学年が50名。

計100名ほど、だったようです。

さらに、在学中に結婚して退学する生徒も続出。

入学時に50名いた生徒は卒業時には20名足らずになっていたようです。

また入学者も年々減少の一途をたどり、昭和13年度の入学者はわずか16名。

しかし、昭和14年にリアルトラちゃんたち3人の「初の女性弁護士」の誕生をきっかけに入学者数が回復。

昭和14年度は44名。

昭和15年度は71名にまで回復しました。

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POSTED COMMENT

  1. あさのあさみ より:

    トラちゃん脳内劇場による「毒饅頭事件」の解説
    わかりやすくていいですね
    過去には、「エール」で野間口徹·仲里依紗夫妻によるオペラ解説劇場、
    「ちりとてちん」では京本政樹さんなどによる落語解説劇場などがあり楽しかったです
    本作も時々あるといいなあ

  2. よるは去った より:

    寅子「法廷劇··········?」

    「毒饅頭殺人事件」
    実際にあった「かるかん饅頭事件」は大学の一般教養の「法学」の授業でも教材として用いられてますね。
    実際の事件は被告人は女性医師で市販の饅頭にチフス菌を塗布するという手口だったそうですが

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