2024/4/12(金)第2週「女三人寄ればかしましい?」
あらすじ
寅子たちの予想ははずれ、峰子への形見の返還が認められる判決が下されました。女子部の面々はその判決を心から喜びました。裁判長は判決の理由を傍聴している者たちに述べ、穂高教授は判決を高く評価しました。
しかし、よねは判決を「甘い」と言って否定しました。裁判には勝ったものの、夫が何らの罰則を受けないことが、よねが「甘い」と言う理由でした。よねは、法律は悪い人を罰する武器であると考えていました。
一方、勝訴によって着物を取り戻すことができた峰子は、離婚裁判も最後まで戦うと宣言しました。その峰子の言葉を聞かされた寅子は、法律とは盾のように人を守るものであると考えるようになりました。
法律に対して寅子と異なる考え方を持つよねは、寅子とは分かり合えないと告げました。一方の寅子は考え方は異なっても、よねは同志だと考えていました。しかし寅子は、よねとは異なり自分が恵まれた環境で育ったのかを気づいてはいませんでした。
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感想
今週の振り返り
女学校卒業後は結婚して家庭に入るというお決まりの「卒業後の進路」を拒んだトラちゃんが選んだ道は名律大学女子部。
今週はお決まりの「卒業後の進路」を避けて通ることができたトラちゃんの最初の一歩が描かれました。
第1週ではトラちゃんの周囲の女性たちはお決まりの「卒業後の進路」こそが女の幸せと信じて疑わない人ばかりでした。
だからトラちゃんもお決まりの「卒業後の進路」を選びかかったこともありました。
ところが今週・第2週では、トラちゃんの周囲の女性はお決まりの「卒業後の進路」からはみ出た者が圧倒的多数を占めることに。
圧倒的な多数を占めるはみ出し者の中でも際立ってはみ出ているのはよねちゃんです。
今週の振り返り:よねちゃん
男性優位の社会に対して怨念に近い感情を抱きながらも、いつも男装でトラちゃんが男子学生と勘違いしたよねちゃん。
男性優位の社会に対して反発しているから女性の味方なのかと言えばそうでもなさそう。
女性が「考えが甘いから」「ヘラヘラしているから」男性優位の社会が一向に変わらないと考えているらしい。
男性優位の現実から目をそらして「すんっ」としているはるさんたちの表情が好きになれないトラちゃんと通じるところはあるかと思います。
でも、今のところよねちゃんとトラちゃんは分かり合えない。
少なくともトラちゃんはよねちゃんを理解する努力をしているようだけれど、よねちゃんはトラちゃんを理解しようとは考えていないらしい。
男性優位の社会をつくっている男性も敵。
男性優位の社会を容認している女性も敵。
よねちゃん、全方位に敵をつくっています。
そして全方位に敵をつくっているよねちゃんは、法律を武器にして社会に復讐しようとしているようにも見えます。
一方でトラちゃんは法律を駆使して女性を弱い立場から救えないかと懸命に行動しました。
法律に対する向き合い方もトラちゃんとよねちゃんは全く異なります。
そんなよねちゃんですが、物語前半の終わりごろまで重要なキャラクターとして登場しつづけるようです。
そのころもまだ、トラちゃんとは分かり合えていないようですが。
よねちゃんがトラちゃんを理解する日はやって来るのでしょうか・
今後の展開が気になるキャラクターです。
今回、そんなよねちゃんが苦学生であることが暗示されました。
次週には、よねちゃんの過去が描かれるようです。
主人公以外では最も気になるキャラクターの詳細がいよいよ語られます。
今週の振り返り:微妙な距離感の3人
まったく分かり合えないトラちゃんとよねちゃんという、わかりやすい人間関係に対して、よくわからない関係なのがいつも一緒の3人です。
ナレーションによれば、トラちゃんを含む4人はクラスの中でもとりわけ扱いにくく、どのグループにも入れてもらえなかった。
そんなはみ出し者の集まりということです。
なので4人に共通点は何もない。
仕方なく集まっている4人なので、お互いに分かり合えているかどうかもわからない。
しかし、木曜日の回、課外事業を穂高教授が提案した場面で、それぞれが抱えているプライベートの悩みが一瞬だけ暗示されました。
最年長で既婚の梅子さんはご主人と息子さんからバカにされている。
留学生の香淑さんは故郷のご両親と弟(?)を想う。
そして華族の令嬢の涼子さんは、どうやらお母上から何がしかのプレッシャーを受けているらしい。
涼子さんのプレッシャーは今回も暗示されました。
いずれこれら3人の事情も詳しく描かれることと思います。
そのころには微妙な距離感も、わかりやすい関係になっているのかもしれません。
予習レビューと史実のリアルエピソード
弁護士資格取得を女性にも認める法改正
今週の物語が描かれる時代は昭和7年(1932年)。
ドラマの中では弁護士資格取得を女性にも認める法改正が通らなかったことで登場人物たちが落胆する場面が描かれます。
では、一体いつ弁護士資格取得を女性にも認める法改正は通ったのでしょうか?
結論、今週のドラマの中の時代の翌年、昭和8年(1933)です。
弁護士法制定
「弁護士」という名称がそれまでの「代言人」に代わって使われるようになったのは、明治26年(1893年)、弁護士法が制定された年です。
「代言人」の制度が導入されたのは明治5年(1872年)。
しかし、当時の「代言人」には資格制度がなかったため、誰もが「代言人」を名乗ることができました。
そのため「代言人」を名乗って金品を詐取する事案が横行。
そこで明治9年(1876年)に「代言人」は試験制度が導入され免許制となりました。
そして、明治26年(1893年)に上述の弁護士法が制定。
しかし制定当初の弁護士法第二条第一項では、「弁護士たらんと欲する者は(中略)日本臣民にして民法上の能力を有する成年以上の男子たること」と規定。
女性は弁護士になることができませんでした。
そして昭和8年(1933)に弁護士法が改正され、女性が弁護士資格を取得する道がようやく開けました。
ところが・・・
女性が裁判官や検事になる道
女性が弁護士になる道は開かれるものの、女性が裁判官や検事になる道は相変わらず閉ざされたままでした。
当時の民放では、女性は婚姻により無能力者になるとされていたことはドラマの前週に描かれたいた通りです。
この民法が理由で、国家の仕事は女性に任せられないという明文化されないルールが存在しました。
そのため、当時の司法官試補採用の告示には「日本帝国男子に限る」との記載がありました。
ドラマの中では次週あたりに女性が弁護士になる道が開けるのですが、トラちゃんたちの戦いはまだまだ続くのです。
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生徒数激減。募る危機感。法廷劇がカンフル剤となるか?優三さんまた落ちたの?月経って言葉朝ドラで出てくるのは珍しい。さりげなく傷つく優三さん。出合頭に女中って兄嫁なのに。何やら嫁姑で不穏な空気。問題山積。
勝訴、しかし。よねさん苦い正論。東田、往生際悪し。この手の男は未だに存在する。寅ちゃん助け舟。よねさんの言う通りわざと殴らせるのも手ではあったが、それでは峰子さんも傷を負う。穂高教授の知り合いって桂場さん?よねさん何処で働いている?でも女給さんじゃなくてバーテン。酔客対策の男装、それだけとも思えないけど。