ばけばけ

トキが機織り工場で働く / ばけばけ 第5回

2025/10/3(金)第1週「ブシムスメ、ウラメシ。」

あらすじ

明治19年(1886年)。18歳になったトキは、傳が経営する機織り工場で働いていました。その頃、松野家は松江城の川向こうにある遊廓の隣に転居。トキが働くのは司之介が作った借金を返すことが目的でした。

司之介も牛乳配達の仕事を始めているものの、多額の借金はなかなか減らず、松野家は日々の暮らしを営むのがやっとの状態でした。そんな中、借金取りの森山が「トキを遊郭に売り飛ばしてでも借金を返せ」と迫ってきました。

借金の返済が進まない現実を前に、トキは自分が婿をもらってはどうかと家族に提案しました。松野家が婿を迎えて働き手を増やせば、その分だけ借金の返済を進めることが出来るとトキは考えたのです。

婿をとるにあたり、トキは二人の同僚を誘って縁結びで有名な八重垣神社で恋占いをしました。チヨとせんが池に浮かべた紙はすぐに沈みました。それは近くで良縁があることを示すものでした。しかしトキが池に浮かべた紙はなかなか沈みませんでした。

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感想

今週の振り返り:斬新さ

新しいストーリーが始まりました。

冒頭は主人公のトキちゃんと将来の夫であるヘブンさんがすでに夫婦になって、薄暗い部屋で夜な夜な怪談語りをしている場面。

そして、ヘビとカエルがその実況中継。

朝ドラらしからぬ、朝のさわかやさが微塵もない斬新なオープニングでした。

主題歌は朝ドラの王道のようや心癒される曲。

オープニング映像は静止画の連続。

とても斬新でしたが一方で王道の主題歌にピッタリとハマるのが不思議です。

そして始まった本編映像がまた、朝ドラらしからぬ朝のさわかやさが微塵もないまさかの丑の刻参りの場面からスタート。

これにはかなり驚きました。

これまで見たことがない・・・そんな感想の中、新しいストーリーが始まりました。

時代は明治8年。

『あさが来た』以降、江戸時代スタートの朝ドラが何本かあり、主人公の家族や周辺の人々がチョンマゲというの、もはや新鮮さはありませんでした。

しかし電灯がない時代の照明を再現した映像、これも斬新。

そして、微妙に手ブレが入るカメラはまるでドキュメンタリーを見ているよう。

電灯がない時代をリアルに再現されている上にドキュメンタリーのようなカメラワークがさらにそのリアルさを際立たせる。

ブログ主は映像そのものも大好きなので、映像を見ているだけでも十分楽しめるレベルでした。

今週の振り返り:何も起きない朝ドラ

本作は「何も起きない朝ドラ」という触れ込みでした。

しかし第3回目の放送で、主人公の家族があり得ないレベルの窮地におちいることが暗示されました。

そして翌日の回には実際にとんでもない窮地に。

特に窮地の直前には、主人公の家族は幸福の絶頂期を迎えていました。

なのでジェットコースターレベルのアップダウン。

どこが「何も起きない朝ドラ」なのかと心底驚くレベルでした。

今週の振り返り:チビおトキちゃん

子役ちゃんが可愛い!

武士の娘らしく礼儀作法はしっかり身についている一方で、ちょっとイタズラっ子の空気もある。

そのバランスの取り方が絶妙。

また、シジミ汁を食べてその美味に感激して「はあ〜」。

お父さんが行方不明になったときにもシジミ汁を食べて「はあ〜」。

でもお父さん不在の「はあ〜」はため息。

微妙な「はあ〜」の使い分けも見事。

すごい子役ちゃんがいたものです。

今週の振り返り:そして今回

今回、髙石あかりさん演じるヒロインが登場することは事前に分かっていました。

しかしアバンタイトルでは前回のチビおトキちゃんを見せ、本編に入って十年スキップ。

そんな展開を予想していました。

そしたらなんとアバンタイトルの冒頭から十年スキップ。

この急展開にまたまた驚かされました。

主人公が大人になったことで、ドラマの中で語られるセリフの軽妙さにもさらに磨きがかかリマした。

そして次週予告を見るかぎり、遊び心全開の演出のようです。

本作、これから半年間存分に楽しめそうです。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

セツが学業を断念

明治9年(1876年)セツは小学校の下等教科の7級に進級。

しかし、その頃に養父の稲垣金十郎が詐欺被害に遭い、稲垣家は城下町の外れに転居。

セツは小学校に通えなくなりました。

そんなセツを救ったのが実父の小泉弥右衛門湊でした。

小泉家も経済的に苦しい状況にありましたが、まだ当時は余力がありました。

そこで弥右衛門湊がセツの学資を出すことになったのです。

セツは再び小学校に通学。

明治10年(1877年)小学校の下等教科の6級に進級。

全校生徒400名の中でずば抜けて成績が優秀だったセツは、飛び級試験で進級。

下等教科の卒業を決める大試験にも合格。

大試験に合格した当時11歳になっていたセツは、上等教科に進んだ後、松江女子師範学校に進学するのが希望でした。

しかし、その頃の稲垣家は日々の生活費すらままならない状態でした。

実父の弥右衛門湊は、再びセツの学資を小泉家で負担することを申し出るものの、養祖父の万右衛門がこれを拒否。

セツは稲垣家の娘。

それが小泉家に頼るというのは稲垣家の恥であるというのが、養祖父の万右衛門が実父の弥右衛門湊からの申し出を拒否した理由でした。

養祖父の万右衛門は一度言ったことは絶対に曲げない人でした。

そのため実父の弥右衛門湊は学資を出すことを断念し、セツの希望は完全に断たれてしまいました。

松江女子師範学校への道を断たれたセツは一週間もの間、泣き続けたと言われています。

学業を断念したセツのその後

セツは学業を断念。

学業を断念するだけでなく、11際にして働くことを余儀なくされました。

当時、養父の稲垣金十郎は30代後半。

得意の囲碁を教えるなどしていましたが、詐欺被害に遭ったことを馬鹿にされて激怒し、トラブルを起こして失職。

60歳の養祖父の稲垣万右衛門も道場で武芸を教える仕事をしていました。

しかし、道場主から求められていない武士の嗜みまで厳しく教える姿勢が煙たがれて失職。

稲垣家の働き手は養母のトミひとり、そんな状態でした。

そんな状況下のある日、セツは生家の小泉家に遊びに来るように言われました。

迎えの人力車に乗ってセツは小泉家へ。

セツを小泉家に呼んだのは実父の小泉弥右衛門湊でした。

そしてセツを呼んだ目的はセツの仕事のことでした。

小泉弥右衛門湊は家禄奉還によって得た資金によって機織りの会社を起こしていました。

その機織りの会社は士族の娘を集めて機織りをさせ、製品は大阪などで販売。

セツはこの機織り会社の織子として働かないかと実父から誘われたのです。

セツは実父の誘いを快諾。

そしてセツは機織り会社の織子となりました。

なお、セツが織子となったのはセツが11歳のときで明治12年(1879年)。

そしてセツが最初の夫・前田為二と結婚したのは18歳のときで明治19年(1886年)。

セツが最初の結婚をした頃には小泉家の機織り会社は倒産。

小泉家は全財産を失い長屋暮らしを余儀なくされました。

そして明治20年(1887年)、実父が死去。

同年、夫の為二は義理の祖父である稲垣万右衛門の厳しさに耐えかねて家出をしました。

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POSTED COMMENT

  1. 遊女なみさん役って、さとうほなみさん、つまりバンド「ゲスの極み乙女」でドラムを叩いていた、ほな・いこかさんだったんですね、気が付かなかった。

  2. そう言えば、記憶に間違いなければ、松江を舞台した朝ドラとしては「だんだん」以来ですね、生き別れになった双子のお話でした。双子をマナカナのお二人が演じ、父親役は吉田栄作さん、片方の育ての母は鈴木砂羽さん。実の母親を石田ひかりさん演じておられました。そう言えば双子の片方がバンド活動をしていて、そのバンド名が「シジミジル」でした。

  3. トキさんのジャイアントスイング(そこまでおおげさではないが)、話題にでも大の男(父司乃介演じる岡部たかしさん)を持ち上げてあんなスピードでぐるぐる回転させるなんて並の女の子の腕力じゃない。トキ役の高石あかりさんの出世作「ベイビーわるきゅーれ」ではかなり激しいアクションをこなしていたので、その時のトレーニングの賜物か。(この映画で高石さん演じるちさとの相棒のまひろ役の伊澤彩織さんはもともと「ジョン・ウィック コンスクエンス」でスタントWを任せられてたくらいのバリバリのスタントウーマンなので彼女のペースに合わせるのは大変だったと思う。ただ、伊澤さん、体調をくずされて舞台を降板されたそうなので心配です。なんかこの映画の主演二人が明暗を分けてしまったのは残念です。)

  4. 名乗るほどの者ではない より:

    八雲立つ 出雲八重垣
    古事記の中でも私が好きな歌
    クシナダのためにオロチを倒してからこの地で一緒に国を創るとのスサノオの歌
    八重垣神社は二人を祀った神社
    ・・・・・
    というかよお、大河ドラマ「古事記」やってくれよ国営放送さんよお、CG演出たっぷりでいいんだからさあ
    それに、たくさんの役者出演料よりも経費削減できんだし(多分)

  5. あさのあさみ より:

    あらまあ、明治19年になってもまだ父上様はちょんまげ姿なのですね
    返済に200年もかかるような大借金を作ってしまい、朝ドラ史上トップクラスのダメ親父ですが、絶対娘を売らないと宣言できるところは、おちょやんパパよりはマシか
    上級学校に行かせないのは、スカーレットパパと同レベル?大酒飲みでなさそうだから、少しマシ??
    どちらにしろ、とんでもない父親であるのに、岡部たかしさんが演じるとなんともチャーミングで憎めません

  6. 女工さんの会話、現代の女子社員の給湯室の会話みたい。内容はブラックだけど。でも怪談はともかく、悪夢や金縛りが娯楽って。家族の会話、ボケとノリツッコミ。松江駅が川向こうにできたので、現在はかなり発展してます。イオンモールもあるし。「女が生きていくには。」遊女さんのこの時代のリアルな言葉。八重垣神社、私も行きました。同じ事やりました。遠くへ流れる紙、添い遂げる異国の方との出会いの暗示?(でもこの人その前に一回結婚するだね、結婚生活すぐ破綻するけど。)
    現在では、当然ながら川向こうに遊郭などありません。松江市中心部には店舗型風俗店は無く。派遣型風俗店とその際利用するレンタルルームがあるだけ。まあ確認してないけどピンサロくらいはありそう。大人の男性のお楽しみは少しはソープランドやラブホテルがある少し離れた玉造温泉まで行かないと駄目みたい。

  7. 名乗るほどの者ではない より:

    橋を渡れば生活レベルが激変する
    ワイの世代だと「あしたのジョー」のなみだ橋がその代表例だわな
    後年、荒川区泪橋見て正直な感想
    橋ねえじゃん、ただの交差点じゃん、よくよく調べたら知名由来も全く違うじゃん!(今ならこれら感想に外国人バックパッカーだらけじゃんが加わるんだろうな)

  8. よるは去った より:

    チヨ「黒船みたいだけん・・・・。」

    これってフラグ・・・・・?

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