らんまん

万太郎、綾、竹雄の誓い / らんまん 第21回

2023/5/1(月)第5週「キツネノカミソリ」

あらすじ

万太郎が植物学の道を進むと決意を固めました。決心がついたことを万太郎は綾に告げ、綾は峰屋を任せてほしいと応えました。万太郎と綾は、今日選んだ道を進み後悔のない生き方をすると誓い合い、二人の誓いを竹雄が見守りました。

そして万太郎、綾、竹雄の三人は佐川へ帰る前に早川逸馬の演説会に参加。逸馬のすすめで万太郎は登壇しました。万太郎は踏まれることで強くなる植物の話をはじめ、聴衆たちに自由の尊さを訴えました。

そのとき、警官隊が会場に踏み込んできました。そして逸馬だけでなく演説していた万太郎も連行されてしまいました。そのころ、峰屋では万太郎の帰りが遅すぎることを一蔵やふじが案じていました。

一方、万太郎は無関係であるという綾と竹雄の訴えも、万太郎本人の訴えも聞き入れられることはありませんでした。竹雄は万太郎が収監されたことを知らせるために、夜を徹して佐川へと走りつ続けました。

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感想

本日から5月。

本作は放送2ヶ月目に入りました。

そして2ヶ月に入ったとたんに、物語はハードな展開に。

万太郎くんの覚醒

かつて自分は生まれてこなければよかったとまで思い詰めていたチビ万太郎くんの心を救ったのは天狗こと坂本龍馬でした。

そして青年期に入り自分は何のために生まれたのかと悩む万太郎くんが、自分の存在理由に目覚めるきっかけを作ったのがジョン万次郎。

二人の土佐の偉人に導かれ、新しい土佐の偉人が生まれました。

自分は峰屋のために生まれたのではない、植物学のために生まれてきたのは。

ここまで言い切った万太郎くんは、自分を目覚めさせてくれたジョン万次郎のことを、もう一人の自分と表現しました。

失意の中にいたジョン万次郎の姿に万太郎くんは何を見出したのか。

ブログ主は、今はまだそのあたりが整理できていませんが、本日は万太郎くんがジョン万次郎の姿や言葉に見出したことを考える1日とします。

綾ちゃんの決意

タキさんの言葉にしたがい万太郎くんと夫婦になる決意をかためた綾ちゃんでしたが、綾ちゃんにとっては意外な決断を万太郎くんは下していました。

しかし万太郎くんの決意が本気であることを知り、綾ちゃんも心を固めたのでしょう。

自分は峰屋のため、酒造りのために生まれたのだと。

さて、綾ちゃんの決意が周囲の猛反対に遭うだろうことは、綾ちゃん本人が一番よく知っているはずです。

峰屋の事務方の働き手たちは正面から異を唱えることはないにしても、職人たちは峰屋の分家衆は決して黙ってはいない。

とりわけ分家衆の猛反発は激烈なものになるかと。

周囲の面々がどのような反応を示すことになるのか承知の上で自分の生きる道を固めた綾ちゃんの決意。

そこまでリスキーな決意を固めたのは万太郎くんの本気に背中を押されたからでしょう。

裏を返せば、万太郎くんの決意がどれほど固く深いものであるかが、綾ちゃんの決意を通して見てとれます。

二人は前だけ向いて、後ろは自分が見る

万太郎くんと綾ちゃんの二人の決意を支えると心に決めた竹雄くんの決意がまた熱い。

「二人は前だけ向いて、後ろは自分が見る」

現代の価値観から見たら竹雄くんの決意は自分をおし殺すような決意です。

しかし当時の価値観からしたら、竹雄くんの決意は自分の存在意義とピタリと一致する決意のはず。

竹雄くん、どれほど嬉しかったか。

ところがその直後…

万太郎くんが収監される

万太郎くんの帰りが遅すぎることを報告されても顔色ひとつ変えず動じるところ決して見せないタキさん。

万太郎くんの帰りが遅いことに無関心にさえ見えるほど冷静なタキさん。

冷静ではなく冷静さを装っていたのか。

そして冷静さを装っていたのは、心の動揺を鎮めるためでもあるのでしょう。

しかし紙に墨を落としたことで、タキさんの動揺がはっきりと見えました。

今回のタキさんの描写はここまで。

次回のタキさん、どうて出てくるのかな。

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予習レビュー

今週は万太郎くんが植物学者になる道を選択し、土佐を離れ東京へと旅立つ日までが描かれる、本作の中でもとても重要な週の一つです。

ジョン万次郎との出会いを経て万太郎くんは三つのことを決めました。

一つ、峰屋の当主の道は選ばない。
二つ、タキさんが求める綾ちゃんとの結婚は断る。
三つ、植物学者になる。

以上のことを万太郎くんは決めたものの、万太郎くんは自分の一存ですべてを決められる立場にはありません。

万太郎くんが決めたこと、そしてそれに対するタキさんや峰屋の面々の反応。

このギャップとその解消が今週のお題です。

今週はまた、綾ちゃんと竹雄くんも人生の重要な決断をする場面が描かれます。

万太郎くんが峰屋の当主の道を選ばないと決め峰屋を綾ちゃんに託すと決めたこと、綾ちゃんとは結婚しないと決めたことで、綾ちゃんの選択も自ずと決まります。

綾ちゃんは峰屋を引き継ぎ、商いをもっと大きくする道を選択します。

そんな中で、自分の道の選択にもっとも迷ってしまうのが竹雄くんです。

竹雄くんの迷いは今週の後半に描かれるはず。

竹雄くんは周囲の人々から次のように言われます。

万太郎くんからは、自分は峰屋の当主でなくなったので自分に仕えなくてもよい。

綾ちゃんからは、自分のことは自分でできるので万太郎くんの面倒を見ていろ。

お父上からは、まだ峰屋の番頭を継がせるつもりはない。

そして、万太郎くんの付き人になるよう命じていたタキさんからは、今後のことは自分で考えろ。

迷いと決断の振れ幅が登場人物の中で最大級の竹雄くん、今週も主人公みたいなポジションに立ちそうです。

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POSTED COMMENT

  1. ばなななち より:

    好きなことから、手を離したら命がついえる

    ジョン万次郎さんはもう1人の自分
    ジョン万次郎さんは好きな鯨を諦めるしかなかった、その姿に植物諦めた未来の万太郎くんが見えたのかな
    私にはそう見えました

    転がる酒瓶 峰屋の未来が不穏な演出
    牢屋で手が届きそうで届かない植物 
    シンプルで真っ直ぐな演出、すきです

  2. 名乗る程の者ではございません より:

    結局のところ最後は好きかキライかということなんですよね、植物好きは植物学者に酒好きは酒蔵を選択したということで
    単純なことだけどまさに真理なんですよね
    あと余談ですが先日放送の「犬神家の一族」、Twitter等では非常に高い評価の呟きがアップされていますね
    まあ、好きかキライかの二択に絞れば私は大キライです(あれは私の好きな横溝文学ではない)

  3. 還暦のたつお より:

    余談です。「最後まで行く」面白く見た韓国製サスペンスドラマですがまさか日本でリメイクするとは、主演はひらぱー兄さんこと岡田准一さん。監督は「アバランチ」、「インフォーマ」の藤井道人さん。期待高まる。
     さて本題「自由じゃー」(犬井けんたろう?=サバンナ高橋)調子に乗ってたら逮捕され。「首謀者ちがいますって。」ってあれだけ立派な演説してたら説得力無いよな。佐川へと凶報を知らせに走る竹雄さんまるで走れメロス。

  4. 名乗る程の者ではございません より:

    宮野真守さん
    失礼ながら私はあまり存じ上げなかった、知っているキャラは「DEATH NOTE」夜神月ぐらいかな
    今作で熱いキャラのお姿拝見して
    国営放送さんよぉ、「河島英五物語」はこの方主役で作れますぜ!

  5. 名乗る程の者ではございません より:

    佐々木蔵之介さんも「芝居をやりたい」と家を出る時はこんな感じだったのかな?

    • 名乗る程の者ではございません より:

      追記
      京都洛中の佐々木酒造の後継に関しては会社HPの社長(蔵之助さんの弟)の挨拶に簡略して書かれています

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