2023/5/3(水)第5週「キツネノカミソリ」
あらすじ
タキの尽力によって無事に釈放された万太郎は、佐川への帰り道で見知らぬ花を見つけ、その燃えるような色合いに心を奪われました。その花の名はキツネノカミソリだと、タキは万太郎に教えました。
峰屋に帰ってきた万太郎と綾は、二人揃って姿勢を正すと騒ぎを起こしたことをタキに詫びました。続けて万太郎はタキに告げました。綾とは結婚はしない。そして万太郎と綾は、それぞれが自分で決めた道を歩みたいのだとタキに対して訴えました。
綾は酒を造って峰屋を今よりも大きくすることが願いだ。相手はタキの言いつけに従うので婿を迎えてほしいと。一方の万太郎は自分を勘当してほしいとタキに告げました。しかしタキは万太郎の言葉を最後まで聞かず万太郎の頬を打ちました。
万太郎はタキに訴えました。自分は生まれて来ない方が良かったと考えてきたが、実は自分には才があることに気がついた。植物画好きだという才が自分にはある。その才を育ててくれた峰屋に生まれた恵まれた環境なのだと。
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感想
万太郎くんが自分の才に気づいた回でしたが、ブログ主には万太郎くん演じる神木隆之介さんの才能にはじめて気づいた回となりました。
恵まれた環境
収監される前までは、峰屋の当主として生まれたばかりに好きな道を自由に選ぶことができないと己の境遇を恨んでまでいた万太郎くん。
その万太郎くんが、峰屋で生まれた恵まれた環境があったからこそ才が育まれたのだと気がつきました。
釈放してもらうことができたのは峰屋に生まれたから。
「キツネノカミソリ」を見つけそれを採集しようとしたとき、何も言わないのに竹雄くんが風呂敷を用意して作業を手伝ってくれた。
そして「キツネノカミソリ」に夢中になる万太郎くんを静かに見守ってくれるタキさん。
高知から土佐への帰り道で描かれた、万太郎くんがどれほど恵まれた環境にいるかがこれでもかというくらいにわかるエピソードの積み重ね。
これらを通して万太郎くんは恵まれた環境にはじめて気がついたのかな?
何かを悟った者の演技
峰屋に帰ってきたからの万太郎くんの表情は終始おだやか。
感情を揺さぶるような場面ではないため目立たない演技でしたが、このおだやかな表情の演技がブログ主の中では忘れられない名演の一つとなりました。
峰屋の働き手たちに気をつかいながら山椒餅を振る舞うときのおだやかな表情。
ひいきの客の丁寧に挨拶をするときの万太郎くんのおだやかな表情。
何かを悟った者のおだやかさがそこにはありました。
しかし、何かを悟った者を演じる際、これを下手な役者が演じると過剰なまでに晴々とした表情になったり。
決意を新たにした演技をするために肩に力が入りすぎたり。
何かと不自然な演技になりがちです。
ところが神木隆之介の「何かを悟った者」の演技はすごかった。
自分の進むべき道が見つかり迷いから抜け出した人は、きっとこんな表情を浮かべるんだろうなと納得させられる演技でした。
神木隆之介さんが主役に抜擢された理由、遅まきながらようやく理解できました。
そして、タキさんに自分の気持ちを告げる万太郎くんの演技がまた素晴らしい。
とりわけタキさんの誤解を解こうと襖ごしに訴える万太郎くんの演技に目を見張りました。
こうした場面、こちらも下手な役者が演じると、涙ながらに訴えてみたりと必死すぎる姿になりがちです。
必死すぎる姿は簡単に見せることができるからでしょう。
しかしこの場面で神木隆之介さんは必死すぎる姿の演技を選択しなかった。
誤解を解くために自分の本心を訴える際にも、それまでのおだやかさがベースにあり、いたって静かに本心を訴える姿。
この場面はブログ主の中での忘れられない名演、名場面。
そしてブログ主の中でひそかに「神回」ともなりました。
予習レビュー
一度は植物学の道をあきらめ峰屋の当主になると決めた万太郎くんの心変わりが今週のお題です。
今週描かれているドラマの中の万太郎の年齢のころ、史実のリアル万太郎くんは何をしていたのか。
簡単にまとめてみました。
1881年(明治14年)リアル万太郎くんは勧業博覧会に参加するために生まれて初めての上京を経験。
そして上京の際に、かねてより憧れていた二人の植物学者のもとを訪問。
ここまではドラマと同じ、というかドラマが史実とほぼ同じです。
1884年(明治17年)リアル万太郎くん22歳。
初めての上京から戻って以来、植物学への情熱はますます強くなり、カラダは土佐にあってもココロは東京。
そんな日々を過ごしていたようです。
リアル万太郎くんも家業の造り酒屋の当主として家を継ぐ立場です。
そしてリアル万太郎くんの祖母も、孫が家業を継ぐことを期待していました。
しかし植物学への情熱を断ち切ることができなかったリアル万太郎くんは自分の気持ちを祖母に打ち明けました。
最終的に土佐と東京を行ったり来たりしながら植物学に打ち込むという条件のもと、二度目の上京が許されたのだそうです。
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らんまん|感想あらすじネタバレトップページ
名乗る程の者ではございません様。まだ「犬神家の一族」を見ていません。(先に後から録画した「続・荒野の用心棒」見てしまいました。これも「仁義なき戦い」同様やってたらつい見てしまう一本です♬ジャンゴー♬)ただあなたの言わんとされている事は良くわかりました。ありがとうございます。さて、今回のらんまん万太郎さん、綾さん、タキさんが互いに自分の思いをぶつけ合う件、全員が芝居巧者なので凄く見応えがありました。やっぱり自分の意志がはっきりしてぶれない主人公いいなあ。
トキさんの表情で心が移っていく演技、
万太郎くんの思いと役目の考え方を語るシーン、
心が震えました
好きという才がある
何者かになりたい
たとえ他の人に石を投げられても、好きなことは手離さず、やり抜いて何者かになりたい、心に刻まれました
私も一度好きを手放しましたが、キッカケがあって幸運にも取り戻せました
決して好きなことは手放してはいけないです
同じく長田脚本の「旅屋おかえり」が今日明日と二日連続で放送
ねるぢゃ~ん、「舞いあがれ!」自体にはなんの未練もないけどさくらちゃん見れなくなったのは未練なんだぜえ
同じくサクラという名前の主演の安藤さん、旦那は柄本佑さん「シン・仮面ライダー」一文字隼人役
「お見せしよう、変身」「ショッカーの敵、人類の味方」50年前と同じセリフなんだぜえ、「今からオレは仮面ライダー第2号だ」カッコ良さに漏らしそうになったわ
還暦のたつお様
コメント反応ありがとうございます
さて、国営放送「犬神家の一族」に関してですが先日のコメントとしては批判ではなく好きかキライかでコメントしています
個人的には複数回映像化されている横溝主要作品を一言で言えばパンドラの箱だと考えています、何かのきっかけで箱が開き惨劇が起こりますが最後にはかすかに希望が残っているという(救いようのない結末だった「本陣殺人事件」除く)
この最後かすかに残った希望があるから私は横溝作品好きなんですよ
従来の「犬神家の一族」だと「古館さん、あなたが証人ですよ」というセリフが希望なんですよね
まああれこれコメントしましたがネタバレは避けたつもりです
視聴直後には「これ大キライ」と思いましたが、「これって夢野久作原作の犬神家の一族だったんだ」と思い込めば不思議とこれはこれでアリと今では思っています
長文失礼致しました